──葵は駅のコンコースに掲出されているピオニーの花の絵に心奪われていますが、内田さんが心奪われているものや景色などはありますか?

富士山です。富士山は見ているだけで人を勇気づけてくれる存在だなと思うんです。富士山のような人間になりたいと憧れますし、それは自分の仕事にも通じている気がして、つい引き込まれます。

キャンプが好きなので、ふもとに行っては富士山に挨拶をして。今回のドラマ出演も富士山に向かって「頑張ります」と誓いを立ててきました。

──香りがテーマの本作。内田さんは普段、香りをどのように取り入れていますか?

悪女をやるときは色っぽい香りを、明るい役のときは爽やかな香りを、というように役に合う香りを探して、変えて使っています。

自宅では、いろいろな香りを楽しんでいますね。特にホテルのロビーの香りが好きで。ホテルに使っている香りを聞いたこともあるのですが、企業秘密らしく教えていただけなかったので(笑)、近い香りを探して使っています。

香りで言うと内田有紀の“今”は…?「最終的には穏やかな、柔らかい香り」になることが希望

──夏になり、これからどんどん暑くなることが予想されますが、体調管理などで意識していることはありますか?

保冷剤を持ち歩くことです。食品を買ったときについてくる保冷剤は、大きいのから小さいのまで全部とってあって(笑)。その保冷剤を山ほど現場に持って行って対策をしていますね。

今は頸椎や脇など、大きな血管が通っている場所を冷やせるグッズもあるので、そういったものを仕込んで立ち向かおうと思っています。

──食事などはいかがですか?

あまり変わりませんが…シャキシャキしたものを食べると、私は元気になるので、ミョウガやキュウリ、スイカのようなものを食べることが増えますね。

──タイトル『ラストノート』は、香水の最後に残る香りを表します。内田さんの人生やキャリアを香りに例えたとき、今はトップノート、ミドルノート、ラストノートのどのフェーズにいると思いますか?

トップノートの頃は勢いがあって、寝て起きたら元気だった時期。ミドルノートの時期は、物事のいろいろな面が見えてきて、視野も広がり、だけど最後の余韻になるにはまだ早いのかな、と。

今の自分は、その“物事を知る時期”は過ぎているので、ミドルノートからラストノートへの変化をしている時期かなと思っています。

──どんな香りに変化していきたいですか?

最終的には穏やかな、柔らかい香りがいいですね。甘すぎず、温かみのある雰囲気でしょうか。

光で言うと、強い光ではなく、温かくて自分も照らせるような人間でいたいと思っているんです。遠赤外線のような(笑)。遠赤外線って、周りの人も温めますよね。しかも芯まで。そういう人になりたいです。…香りではなくなっちゃいましたけど(笑)。

──フジテレビ系の連続ドラマ主演は『翼をください』以来30年ぶりとのことですが、そこから一番変化していると感じることを聞かせてください。

10代の頃、前に出てみんなを引っ張る、元気な少女役がとても多かったんです。でも、それは私自身の性格とは真逆で。むしろ誰かについていきたいタイプでした。

そういう性格だからこそ、近年、力強く真ん中に立ってくださる主演の方から学びたいという気持ちがとても強くて。脇役を極める、どこか職人のような人になりたい思いを持っていました。

そういった時期が続いたこともあり、今回、歳の差のある男女のラブストーリーを演じることに加えて、真ん中に立って“ドラマの象徴”を演じることに躊躇していました。責任感が必要ですから。

でも今回は、それがとても心地よく感じています。若い頃、主演をやらせていただくときは、とにかくプレッシャーを感じていましたが、今は「1人じゃない」と思えていて。視野が広がったのでしょうか。仲間がいることを実感していて、「みんなで作り上げているから大丈夫」という思いです。

プレッシャーよりも、皆さんにステキな作品を届けたいという思いが勝るようになった、それが一番の変化ですね。