──木島真は、高校生たちと出会ったことで変化も見られますが、演じるなかで意識したことはありますか?

役の根幹に関しては、最初から一貫しています。放送される前の番宣や制作発表などでも「木島は、このドラマのなかで一番宇宙に対して熱い男でいたい」「青い炎が心にあるような役に見せたい」と言っていた通り、その思いを常に意識しています。

序盤は“数字に厳しい男”とか冷たい雰囲気があり、「(生徒たちにとって)敵なのか」という感じに見えたらいいなと思っていました。だけど実際は冷たいのではなく、宇宙に対する憧れが人一倍強くて、宇宙と真剣に向き合っているというだけ。事故を起こさないために「基準」を大事にしているだけなんだと、徐々に伝わったらいいなという理想のもと演じてきました。

『サバ缶、宇宙へ行く』第6話より

その転換期が5話だったのかな、と。当初は仕事以外の木島がどういう人なのか悩むこともありましたけど、5話で小浜を訪れて、生徒たちと直接コミュニケーションをとったことで、木島の人間味が伝わったと思います。

だから後半は、「厳しいことを言っているけど、実は熱い男じゃん」と見ていただけたら、と思いながら演じています(笑)。

神木隆之介 北村匠海を大絶賛!「勉強させてもらってます」「本当に天才」

──初回放送前から「念願の共演」と話していた、北村匠海さんと芝居をした感想を聞かせてください。

北村匠海との念願の初共演に神木隆之介「このために生まれてきた」と感激!北村も2人で「福井と宇宙を背負う」宣言

(興奮気味に)あの人はやっぱり神です。芝居の神様です!いろいろな場所で書いていただきましたが、匠海くんは憧れの人。作品を見ていて「なんて繊細な演技をするんだ」「自分もこういうお芝居ができたらいいな」と思っていたんです。

前回、匠海くんと2人で取材を受けたときは、まだ一緒のシーンを撮影していなかったので「楽しみですね」と言っていたんですけど。実際にお芝居をしてみて、包容力がありましたね。

朝野先生と木島はキャラクターがまったく違いますし、別々の場所で動いていましたが、5話で直接対面したことで一気に物語が動き出した感じがあって。ここからどんなふうに進んでいくのかも楽しんでいただけたらいいなと演じながら思いました。

あと匠海くんは、息づかいだったり、僕のセリフに対して返答するまでの間(ま)だったり、本当に繊細なことをやっているな、と。自然とやっているように見えて、実はいろんなことを考えていて、それを違和感なく体現できる方なんだということを、改めて感じました。一緒にお芝居できたことがうれしかったですし、もっと絡みたいですね。

──対面して改めて北村さんの魅力を感じたのですね。

そうですね。すごく目がまっすぐで、純粋に生徒のことを思っている“朝野先生”なんです。まったく“北村匠海”を感じさせないお芝居ができる方で、やっぱりすごいなと思いました。

『サバ缶、宇宙へ行く』第5話より

──北村さんは、カメラが回るとスッと役に切り替わる感じなのでしょうか?

一応切り替わっているのですが、スパッというより、本番前のくだらない話をしているところからスッと本番に入っていく感じでしょうか。だから、「まだ北村匠海かな?」と思っていると、いつの間にか目の前に朝野先生がいる感覚ですね。

スイッチが入ったとか、切ったとか、そういうことはないんです。スッと役に入って、本番が終わるとサッと北村匠海に戻っていく。もう本当に神です!大きな文字で書いておいてください(笑)。

──そんな北村さんと、現場でどのような話をしますか?

台本のことや自分たちのシーン、セリフの言い回しについては結構話します。「ここの言い方なんだけど」「こうしたいと思うんだよね」と、話し合って本番に向かっていくのですが、勉強させてもらっていますね。

これは絶対今日言わなきゃと思っていたことがあって。5話に「人生って、楽しむを配ること」という木島のセリフがあったのですが、「配る」という単語を追加したのは北村匠海なんです。

天才ですよ。「さすがDISH//」と言ったら、(照れたような表情を再現しながら)「まぁね」と言っていました(笑)。

『サバ缶、宇宙へ行く』第5話より

もともと台本に同じニュアンスの言葉が書かれていたのですが、もっと自分なりの表現ができないかなと思っていて。でも、自分では言語化ができなかったので、監督に相談をしました。

そこに神様(北村さん)もいたのですが、しばらく一緒に考えて、「“配る”っていうのはどうかな?」と、提案してくれたんです。本当に天才です。

そのあと、本番で木島の言葉として自分で思いついたような顔でセリフを発するわけですけど、それに対して朝野先生として匠海くんが「なるほど!」とリアクションしてくれて。「考えてくれたのはあなたですけど」と思うと、ちょっと恥ずかしかったです(笑)。

でも、僕が悩んでいることに気づき、フォローして、一緒に考えてくれるところが本物の先生のようで、たくさん助けてもらっています。

──このドラマに携わったことで、宇宙への興味や関心などに変化はありましたか?

以前から空が好きで、よく見上げています。昼間は太陽が出ていて、たまに月も見えて、夜になると星も見える。そうやって眺めていると、より宇宙とつながっている感じがしますよね。

宇宙関連の動画もよく見ていて、遥か遠い場所という印象があったのですが、この作品に携わったことで、「頑張れば届くんだ」「人類が目指している場所なんだ」「宇宙ってすごいな」という思いが強くなりました。