北野武本人と共演するも「武さんを演じる」とは言い出せず…
――たけしさんとの面識やエピソードがあれば、聞かせてください。
「浅草キッド」への出演が決まった直後、『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ)にゲスト出演させていただきました。しかし、緊張のあまり「今度、武さんをやらせていただきます」などといったお話は一切できなかった(苦笑)。
武さんをこっそり観察したところ、世の中のことや様々な人物のことなど何でもご存じで、VTRに登場する方のエピソードトークをきっかけにどんどん会話が広がり、トークは必ず笑いで終わる。すべてを笑いに変えていく方なのだと改めて感じました。
――実在の人物を演じる難しさもあると思いますが、どんなふうに演じたいと考えていますか?
実在した方やモデルとなった人がいる役柄を演じた経験はありますが、ここまで日本中に認知されている方を演じるのは初めてなので、難しさは当然感じています。
最大限の敬意をもって飛び込むのみですが、稽古に入る前からアプローチの方向性みたいなものは定まっていました。
真似をしようと思ってもできる方ではありませんし、時間をかけて武さんの本質的な部分を知りうる限り知って、それを稽古で自分の中に落とし込み、その落とし込んだものが舞台上で垣間見えたらいいなと思っています。
武さんに関する資料を拝見していくと、シャイな方という印象があり、繊細で感覚が鋭く、普通の人が気づかないようなことにも気づき、さらに、人が気にしないことを気にするといった敏感な部分がある方。
原作を読んで感じたのは、人間のマイノリティの部分やネガティブな要素をユーモアや笑いに変えてきた方なのかなと。そんな中にもカリスマ性を表現できるよう、稽古でたくさん試して、“武像”をつくり上げていきたいです。