イベントの朗読パートでは、佐々木アナ、安宅アナ、西山アナ、宮司アナ、島田アナの順番で、それぞれの小説を10分ほど朗読しました。その様子を動画も合わせてお楽しみください。
佐々木恭子アナ・安宅晃樹アナ・西山喜久恵アナ・宮司愛海アナ・島田彩夏アナが朗読
トップバッターは佐々木アナの『カレーリレー』。仕事と育児に追われ、限界寸前の那子。ある夜の小さな衝突をきっかけに、夫は「料理」を担う決断をします。家族をつなぎ直したのは、夜な夜な煮込まれる一鍋のカレー。役割を手放し、分け合うことで、食卓は再び温度を取り戻していく――という物語です。
佐々木アナは、余裕を失った妻の緊迫した心情を臨場感たっぷりに読み上げます。無邪気な子どもと、妻を労わろうとする夫の声色も使い分ける、情感を込めた朗読を披露しました。
続いては、安宅アナの『満点のハンバーグ』。料理を「化学」と信じる天才シェフ・龍が、亡き妻の味を再現してほしいという常連客の願いに向き合うなかで、数式ではたどり着けない答えに直面する、記憶と愛情の味にまつわる物語です。
安宅アナは、バラエティ番組などで魅せる食レポの明るいテンションと、地の文を淡々と読み上げる硬派な声質のギャップで物語に引き込んでいきます。難解な「味」の解説部分では、よどみない早口で畳みかけて圧倒しました。
西山アナが朗読したのは、『鯛の鯛』。旅館で育った少女・ふみは、忙しい母に甘えられず、朝食をめぐる出来事から叱責(しっせき)を受けます。曽祖母と囲む鯛の浜焼きで「許すこと」の意味と向き合い、家族の思いを知ります。小さな骨〈鯛の鯛〉が、心の成長をそっと導く温かい物語です。
西山アナは、活気あふれる旅館の裏側を舞台に、少女と曾祖母、取り巻く人々の会話を広島弁で披露。会話をそばで聞いているような、生き生きとしたやり取りを聞かせました。
宮司アナが朗読したのは『もやもやのロールキャベツ』。仕事に追われる31歳の真美は、金曜の夜、1人でロールキャベツを調理。刻み、包み、煮込む工程の中で、結婚や仕事、過去の恋へのもやもやが、静かにほどけていき、選ばなかった人生も抱きしめながら「今の自分」で生きていいと気づく――という物語。
宮司アナは、主人公の生活のリアリティを感じさせる状況描写と、丁寧にロールキャベツを作る工程を落ち着いたトーンで朗読。調理の情景と心情が重なる繊細な表現を披露しました。
ラストの島田アナが朗読したのは『母からの梅干し』。都会で働く未希は、失恋と挫折から心身の限界を迎えます。実家から届いた母の作った梅干しを口にしたとき、忘れていた記憶と愛情がよみがえり…。味の違いに気づき、帰郷した先で知るのは、変わらず支え続けてくれた母の思いと、自分の人生を歩み直す力だった――という物語。
島田アナは、新生活に向かうワクワク感と、家族のもとから旅立つ切なさを丁寧に朗読。あたたかみを感じさせる母の方言と、母娘のテンポのよい微笑ましいやり取りをじっくりと聞かせました。
朗読を終えた5人は、晴れやかな表情で再度ステージに集合。実は緊張していたという島田アナは、「練習のときよりも、みなさんが聞いてくださっているおかげで、ちゃんと世界を作れた気がします」とホッとした表情を見せました。
安宅アナも、「いつもはカメラに向かってしゃべっているので、実際にみなさんが頷いてくださっていると安心感がある」と吐露すると、「そう!」「めっちゃ見えてるんですよ!」「お一人おひとりの顔がしっかり見える」と全員で盛り上がります。
発起人の西山アナも「みなさんの顔が見えて、お互いが通い合うような朗読会を夢見ていました」と改めて感謝を伝えました。
書籍を彩るイラストを担当した上垣アナについては、西山アナが常々「上手だし、あっという間に描ける」と自信を持ってのオファーだったそう。上垣アナのやさしいタッチのイラストは、各小説の扉にも掲載されており、全員が上垣アナのセンスを絶賛しました。ちなみに裏表紙の「お寿司」は、上垣アナのお気に入りの1枚だそう。
また、イベント終盤では、上垣アナのメッセージが付いた原画を来場者にプレゼントするコーナーも展開。さらにその原画に、抽選くじを引いたアナウンサーが当選者の名前を添えるサプライズもあり、計7人の番号が抽選によって読み上げられると会場も大いに盛り上がりました。
