<縄田丈典(ディレクター)コメント>

――いよいよ伊藤選手がパラリンピックの舞台に立ちます。

小さなころから頑張っている姿を見てきたので、心からうれしく思います。前回の北京大会では、年齢制限で予選に出場することすらできず悔しい思いをしてきたので、今回はエースとしてチームをパラリンピックの舞台に導き、これまでの努力が報われて良かったなと思います。

――取材を通して感じた伊藤樹選手、パラアイスホッケーの魅力は?

パラアイスホッケーは氷上の格闘技ともいわれ、激しい接触が多く、迫力があるスポーツです。足に障害がある人たちが行うのですが、伊藤選手はほかの選手と比べ重い障害があります。でもそのことを言い訳にすることは一切なく、目標に向かって常に努力し続けていて、すごくたくましいなと感じます。あと、たまに生意気な一面も見せてくれます(笑)。

――今回のドキュメンタリーのナレーションは、松坂桃李さん。オファーした理由は?

以前、松坂さんが車いすの男性・鮎川樹を演じられた『パーフェクトワールド』というドラマを、当時中学生だった伊藤選手が見てこう言ったんです、「これ俺やん!」と。

役名が「樹」と同じこともあったのですが、それだけでなく松坂さんの演技を見て「車いすユーザーの葛藤がすごく共感できた」と言っていたので、伊藤選手の11年という人生を描くうえでぜひお願いしたいと思いました。

――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

「人生終わったと思ったところから俺の人生始まってるんで」。伊藤選手の言葉です。8歳で歩けなくなったという現実を突きつけられ、ふさぎ込んだ時期もあったといいます。でも、パラアイスホッケーと出会いひた向きに努力する姿、そしてそれを支える家族やチームメイトの姿、夢に向かって最後の最後まで諦めない姿をぜひ見ていただきたいです。