アジア太平洋放送連合(ABU)が優れたテレビやラジオ番組などを表彰するABU賞の授賞式が現地9月14日夜にモンゴル・ウランバートルで開催。

スポーツ部門で、女子マラソンの前田穂南選手に長期密着取材したカンテレのドキュメンタリー番組『前田穂南の走る道(英題Honami Maeda : A Life of Running)』が最優秀賞を受賞しました。

前田穂南選手にしか持ちえない“強さ”と“走ることへの思い”に迫る

今回のABU賞には、計318作品の応募がありました。 

審査員講評

一人の卓越したアスリートの歩みを長期にわたって追った魅力的なドキュメンタリー。若き日
から記録を打ち立てるまでの道のりを、個人的な葛藤、成功、そして揺るぎない努力を織り交
ぜながら丁寧に描いている。このドキュメンタリーが特に心に響くのは、その情感の深さにあ
る。単なるスポーツの成功を讃えるだけでなく、心の中の疑念、立ち直り、そして成長の瞬間を
通して、ひとりのチャンピオンを形作る過程を描いている。緻密な構成、豊かな語り口、そして
人間の決意をありのままに映し出す描写により、トラックの内外での「耐える力」の精神を讃え
る感動的な作品となっている。

近年ABU賞での関西テレビ番組の受賞

2022年「スポーツ部門」 4Kドキュメンタリー番組『希容の形』:最優秀賞 

2016年「テレビドキュメンタリー部門」 『京の摺師~パリに渡った浮世絵』:審査員賞 

2024年「ABUの視点賞(テーマ:未来)」 『ザ・ドキュメント The indigo BUAISOUの
つくるいろ』:審査員賞

『前田穂南の走る道』 

2024年1月28日、大阪国際女子マラソンで19年ぶりに日本記録を更新した前田穂南選手(天満屋)。その後、東京五輪に続き2大会連続となるオリンピックマラソン日本代表に決定。しかし、ここまでの道のりは、つらいことばかりでした。 

「東京五輪で走ること」を夢見て、高校卒業後に実業団の門を叩いてから9年。東京五輪の代
表になったものの、五輪の1年延期とコロナ禍でコンディション調整に苦しみ、本番では33位。
直後に競技人生最大のケガを負い、引退を考えたことも。しかし、前田穂南選手には、走ること
を諦められない理由がありました。 

実業団に入った18歳からパリ五輪代表最終選考レースまでの過程を通じて、前田穂南選手にしか
持ちえない“強さ”と“走ることへの思い”に迫ります。長期にわたる密着取材で撮影した独自映像
で描くスポーツドキュメンタリー。 

放送日時:2024年3月31日(金)25時~ 

ナレーション:北浦愛   

取材協力:天満屋女子陸上競技部   

撮影:田口俊博  

音声:菊田早哉樹  

効果:萩原隆之  

MA:今中順也   

タイトル:根上結衣  

編集:清水慎恭   

ディレクター:柴田俊介  

プロデューサー:山田恭弘 

(敬称略)

制作著作:カンテレ  

配信:TVerで、2025年10月15日(水)23時59分まで配信 

ABU賞とは  

ABU(アジア太平洋放送連合)は、アジア太平洋地域の放送発展を目的に1964年に設立され、現在は約70の国と地域の放送局、および放送関連団体が所属する世界有数規模の連合。ABU賞は、加盟機関の放送番組制作力や教育・文化水準の向上、相互の国際理解の促進を目的に、ABU設立と同時に創設された、番組のコンクールとしてはアジア太平洋地域で最大級の賞。