<高橋侃 コメント>

趙松雄(高橋侃)

マツは、とてもまっすぐな人物なので、その“まっすぐさ”を表現できるように、自分の中に残っているまっすぐじゃない部分を少しずつ削ぎ落としていきました。そうした作業を通して、自分自身も整理されていくような感覚がありましたね。

マツは、昔の自分と少し似ていると感じました。マツと同じ22歳を振り返ると、美容師としてがむしゃらに働き、必死に戦っていた時期でした。あのころの自分は、今よりも自由に言いたいことを言えていた気がします。そうした点は、共通している部分だと思います。

ただひとつ違うのは、僕は相手にどう思われても構わないという気持ちで、思ったことをそのまま伝えてしまうタイプだということですね。一方でマツは、相手の表情や気持ちを丁寧に汲(く)み取りながら、慎重に言葉を選んで思いを伝えられる子。そこもまた、マツのまっすぐさだと思います。

第6話で描かれるマツのシーンを、どれだけ丁寧に、そして深く表現できるか。それ次第で、作品全体の力も大きく変わってくる、そんな思いがありました。だからこそ、この第6話には特別な覚悟を持って臨みました。

ここで本気を出さなければ、マツはただの“おちゃらけたキャラクター”で終わってしまうかもしれない。そんな不安もあって、自分にプレッシャーをかけながら真剣に役に向き合いました。

それほどの思いと決意を込めて挑んだ第6話の最後の告白シーンは、まさにマツを象徴する場面で、僕が最も好きなシーンです。好きな人に対して、あれほど真っ直ぐに、全力で気持ちをぶつけられる人は、多くはないと思うんです。その無防備で強い思いを言葉にする姿は、やはりマツならではだと感じました。

左から)趙松雄(高橋侃)、新藤シオン(古澤メイ)

(大西)流星くんは、初対面のときからすでに「ロン」というイメージが自分の中でしっかり重なっていました。実際に話してみても、とても居心地がよく、まるで以前から知っていたかのような安心感があったんです。

お芝居についても、本当に魅力的な演技をされる方だと思っています。淀(よど)みがなく、声や目にまっすぐな強さがあって、こちらも自然と真正面から向き合える。マツという役をこの現場で無理なく演じられているのは、ロンの存在、そしてそれを演じる流星くんのおかげだと、心から感じています。

左から)小柳龍一(大西流星)、趙松雄(高橋侃)

原(嘉孝)くんとは、最初の本読みの際は、お互いに敬語で話していましたが、同い年ということもあり「敬語なしにしよう」と提案して、それ以来、気軽に声をかけ合うようになりました。

「今度、飲みに行こうぜ」という流れになったのですが、予定が合わずに今日まで来てしまって(笑)。でも、いつか必ず飲みに行けるだろうという不思議な安心感があるんです。原くんの持つ、いい意味での“軽やかさ”が、自然に誘える空気を作ってくれていると感じています。

家族との思い出で、特に強く心に残っているのは「車の中」の記憶です。父が運転席、僕が助手席、母が僕のうしろ、妹が父のうしろ。いつも決まった“4人の定位置”があって、休みの日には遠出をしたり、キャンプに行ったりすることが多い家族でした。

あの車内の空間が、今でも鮮明に残っているんだと思います。不思議なことに、今でも友だちの車の助手席だとなかなか落ち着かないのに、実家に帰って父の隣に座ると、自然と眠くなってしまうんです。その感覚すら、家族の温かさを思い出させてくれます。

マツを演じるなかで、「今の自分はマツとして、この作品をきちんと背負えているのだろうか」と悩む瞬間もありますし、まだ足りないと感じる部分も正直あります。Season1の途中ではありますが、Season2では、もっと周りのキャストを引き立てられる存在になりたい。前に出るべきところと、一歩引くべきところをしっかり見極めながら、原くんや流星くん、平ちゃん、紺ちゃんと一緒に、より良い作品づくりに向き合っていきたいと思っています。

そして何より、放送を楽しみにしてもらえたら、うれしいです。僕自身も、マツとしても、そしてこの現場にいる全員が、同じ気持ちでそう願っています。