2024年9月25日からキャッシュレス決済サービスで給料を受け取れる「デジタル給与」が国内で初めてスタート。
肯定的な意見や不安など、さまざまな声が上がる中、実際にデジタル給与を受け取った人を取材しました。

国内初デジタル給与がスタート 実際に受け取った人の声は…?

2024年9月25日からキャッシュレス決済サービスで給料を受け取れる「デジタル給与」が国内で初めてスタート。
先陣を切ったのは、ソフトバンクグループの10社で、社員が希望すれば毎月20万円を上限に「PayPay」で受け取れるようになりました。

実際に「PayPay」で働いていて、「デジタル給与」を受け取った女性は…

PayPay社員 星野さん:
これは今月20万円をデジタル給与として受け取ったんですが、いくらか使って残った残高が、16万円という金額になっています。
税金関係のお金も全部PayPayで支払いをしているので。とても楽だなと。残高不足に悩まされなくて済むので安心感があります。

国内で初めての取り組みとなる「デジタル給与」。
勤務先(アルバイト先)がデジタル給与を導入したら利用したいかどうか、男女100人にアンケートをとったところ、「利用したい」が4割を超えました。

街の人にも話を聞くと、「まとめてPayPayに入ってきたお金で家計のやりくりをすればいいので便利」「チャージする手間が省ける」という肯定的な意見がある一方で、「通信エラーが起きてしまったときに不安」という通信の不具合などを心配する声も。

PayPayは年内に、他の企業にも「デジタル給与払い」を提供していく予定だとしていますが、専門家は、こうした動きが人手不足解消にもつながる可能性があるのではないかと話します。

第一生命経済研究所首席エコノミスト 永濱利廣さん:
いま企業は人手不足で外国人労働者を非常に雇いたがっているが、外国人労働者はなかなか簡単に銀行口座を作れない。給与デジタルの開設は容易なので、企業が外国人労働者を採用しやすくなるということがある。

「デジタル給与」今後の導入は?

日本初のデジタル給与支払いが始まりましたが、他にも「サカイ引越センター」と「ニチガス」の2社も今後導入を検討しているといいます。
導入検討の理由としては、「サカイ引越センター」は学生をはじめとしたアルバイトが多く、日常的にPayPayを使っている人が多いためとしており、「ニチガス」は社内アンケートをとったところ、約4割がデジタル給与に関心があると回答したことから、導入を検討しているということで、どちらもできるだけ早いタイミングで導入したいとしています。

デジタル給与をめぐっては、「au PAY」と「楽天ペイ」も厚労相に申請しているということで、受け取るアプリの幅が広がることでどこまでデジタル給与が普及するのが注目です。