キャストも絶賛する“生方ワールド”の新たな魅力。個性あふれるキャラクターに扮し、実際にお芝居をした中で印象的だったエピソードを尋ねると…
錦戸亮 竹原ピストルの完璧な準備に動揺!?
――撮影の中で印象的だったことを教えてください。
菊地:リハーサルをきちんとできたことがよかったです。自分にはないアイデアが高野舞監督や金城プロデューサーから出て、有意義な時間を過ごすことができましたし、そういう時間があるとリラックスして本番に臨めるんだなと実感しました。
ドラマって、1人で宿題をやって発表会に臨むみたいな感じじゃないですか。それが今回は4人で宿題をやった感覚で、お互いの距離も近づきましたし、「試験勉強をどれくらいしました」というような探り合いが楽しくて、キャラクターがより膨らんだ気がします。
錦戸:僕もそう思います。皆でつくり上げたというほど大それたものではないけれど…。
菊地:錦戸さんは誰よりもセリフが入っていましたよ。
錦戸:いやいや、竹原さんはリハーサルからセリフをすべて頭に入れていて、すごいなと思いました。
菊地:私、焦りましたもん。「ヤバい」って(笑)。
竹原:菊地さん、錦戸さん、塩野さんの撮影が先にあり、そこに私が合流するという流れだったので、お三方が作られたリズムの上にひょっこり乗っからせていただいたという感じです。心強い状況の中で演じることができました。
塩野:撮影は単純なようで実はとても高度なことをしている印象でした。台本を読んだときに感じたのは、ちょっと舞台っぽい構成だなということ。ト書きが少なく、会話ですべてうまっていて、誰かが発言しているときに自分は何をするのかを考えながら演じるという。
こういう展開って通常1カットの長回しが多いものですが、今回はカットを細かく割ってそれぞれを撮っていたので、“つながり”がすごく難しかったです。「この発言を聞いていたとき、自分は何をしていた?」と思考するのに労力を要しました。
菊地:私はツッコミを入れることが難しかったです。ツッコミ方によっては場面をダメにしてしまう可能性もありますし、ボケもツッコミが面白いから笑えると思うので、みつ子っぽくどう表現するかというのはわりと考えました。
竹原:居酒屋というシチュエーションなので、ある程度食べながら、飲みながらお芝居をするわけですが、私はこの「○○をしながらお芝居をする」というのが不得意でして。
「このセリフのあとに飲んで、そのあとにこれを食べて、このセリフを言って」みたいなことを頭の中で整理しながら、ときには台本にメモをしながらやっていましたね。難しかったですけどいい勉強、鍛錬になりました。
――それぞれのキャラクターを演じるにあたり、どのようなことを心がけましたか?
錦戸:一生懸命セリフを覚えていくことくらいです。会話劇ですから、皆に遅れをとらないように、それだけ。
菊地:みつ子は発言の一言にきちんと意味があって、セリフを流してしまうと場面が面白くなくなっちゃうので、視聴者の皆さんにきちんと届くように意識して発しました。
竹原:みつ子の鋭角なツッコミには毎度、笑いをこらえるのが大変でしたよ(笑)。
塩野:中村は頭がいい人物なので、まくし立てるように喋りながら人を巻き込んでいくテンポ感、どこか宙に浮いているみたいな言動の軽さ。どれが嘘でどれが本当なのかわからない言い回しや人の懐にズカズカと入っていっても不思議ではない親しみやすさ。結婚詐欺師という設定なので、人たらしの部分が前面に出ていたら面白いなと思って演じていました。
竹原:「並木ってこんな人物かな?」というイメージは作っていきましたが、基本的には高野監督に委ねようと思っていました。現場で監督からリクエストをいただいたときに落ち着いて対応できるよう、セリフを徹底的に頭に叩き込んでおこうと準備をして臨みました。
――4人の個性的な登場人物の中で自身はどのキャラクターに近いと思いますか?
錦戸:誰かしら挙げなければいけないんですよね(笑)。僕はみつ子です。あれくらい実直に生きていきたいっていう理想ですね。
菊地:彼女ほど素直じゃないけど、私もみつ子に近いかな。竹原さんも私と同じ種族の匂いがするけどどうですか?
竹原:4人それぞれの言動に「なるほど」というような親近感を覚えたので、どのキャラクターにも近い部分、共通している部分があるように思えました。ただ、突き抜けた馬鹿さ加減のみでいうならば、やはり並木が一番近いと思います(笑)。
塩野:僕は並木さんにちょっと近いのかな(笑)。並木さんってそれこそ嘘が下手で、真面目な人だと思うんですよ。幸助さんとも違うし、この中だと並木さんなのかもしれません。
