「甘えてはいけないと思って闘ってきた時代があった」と、演じる役柄と自身で重なる部分を明かしてくれた比嘉さん。今回のドラマでの撮影では、“感情を入れない演技”に苦戦したことも語ってくれました。
撮影では感情を入れずに“存在だけで表現する”ことに苦戦も
――高野ゆう子を演じる上で気をつけた点を教えてください。
今回初めてご一緒した瀬田監督が妥協を許さない方で。本当に温和な雰囲気なのですが、うまくいったかなと思ったら、「じゃあもう1回~」という感じなんです(笑)。
「まだ行きますか!?」というくらい、何かがかっちりはまらないと、なかなかオッケーをくださらない。でも、私からすると「これでいいか」ではなくて、「これがいい」の方がいいので、それはすごく信頼が持てました。
なので、私が高野という人物を最初に作ったとき、自分の中ではクールというか、セリフも感情を込めずに言ったつもりだったのですが、「それよりもっと感情なしに、ある種平坦なセリフ回しにして、感情を入れないで」と言われたんです。それが今までにないアプローチで。
今回のドラマの撮影では、瀬田なつき監督から“感情を入れない演技”の指示を受けたという比嘉さん。苦戦しながらも新たな発見があったといいます。
どうしても棒読みのようになるのは絶対嫌というか、不安になるんですよ。何か付け加えたくなってしまうんです。
でも、そこを削ぐ作業から始まり、もっとフラットにという作業を徹底的に最初の段階で作っていけたので。そこから、声の強弱ではなく、存在だけで何かを表現しようとすることは難しかったのですが、それは鍛錬になりました。
漫画で読むと、無表情で言っていることが、どんなスピードでどんな声色なんだろうとか。読む人が自由な楽しみ方ができるのがやっぱり漫画であり、原作であり。
でも、映像となったら私がそれを具現化するので、責任はあるんですけど。感情を削ぐって作業をしていくと、もうそれすら「もういっか!監督に委ねよう」という感覚になってきたんですよね。
それで、フラットに感情を出そうとしないということをやっていくと、心の内側からゆう子の心情がどんどんより濃く溢れ出てきて。渡辺さんの好きなところは、共感性のあるセリフを大事な言葉だと思って強調して言うのではなくて、さりげなくすごいことをさらっと言うところで。そうすると、見る方はじんわり染みてくるという感覚があるんだということを学べたので、それは今までやってきた中で、また新たなアプローチでしたね。
撮影:今井裕治
<番組概要>
『にこたま』(全8話)
配信日時:毎週金曜20時~最新話配信
※配信日時は、予告なく変更になる場合があります。
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出演:橋本愛、瀬戸康史/比嘉愛未 ほか
原作:渡辺ペコ『にこたま』(講談社『モーニング』所載)
脚本:政池洋佑
企画協力:ワタナベエンターテインメント
プロデュース:鹿内植/加藤康介(ワタナベエンターテインメント)/櫻井雄一(ソケット)
プロデューサー:岡美鶴(ソケット)/岸根明
監督:瀬田なつき/椿本慶次郎
(敬称略)
制作プロダクション:ソケット
制作著作:フジテレビ
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