鏡のように光を反射 景色に溶け込む刀のワケとは…
この動画を投稿したのは兵庫県川西市にある日本刀の販売を行う「美術刀剣 刀心」のご主人、町井勲さん。
ギネス世界記録に「千本斬」「据斬」「三分間速斬」「最速テニスボール居合斬り」「6ミリBB弾居合斬り」「一分間早斬」の記録保持者として認定されている“刀の達人”です。
若い人にも刀に興味を持ってもらいたいと、Xで刀の魅力を発信しているといいます。
なぜ刀が消えたのか…
町井さんにお話を伺うと、研ぎ澄まされた刀は鏡のように光を反射するため光学迷彩のように景色に溶け込むのだといいます。
今回の動画が撮影された部屋は、刀の販売サイト用の写真を撮影するために黒幕で覆われていて、刀はその黒幕を反射してまるで消えたかのように見えたとのこと。
さらに町井さんにお話を伺ってみると…
――Xで「本当は自然の中で出来たら。。。」とおっしゃっていたのはまさに迷彩服のようにどこでも溶け込むことができるからということですか?
町井さん:
そうです。林の中や竹藪の中などでも周りの景色を鏡のように映して姿を消すことができます。
――なぜ景色に溶け込ませることが重要なのですか?
町井さん:
景色に溶け込むことで刀の長さをわからなくさせます。
と、景色に溶け込むことにそんな重要な役割あったとは驚きです!
ちなみに、町井さんは本来のあるべき刀の扱い方についても教えてくれました。
町井さん:
(本来の剣術では)まずよく時代劇で見るようなチャンバラはしません。刀というものは意外ともろく、チャンバラのような扱いをすると刀はすぐに折れ曲がり、刃もボロボロになってしまいます。
戦国時代頃までの刀というのは本来、力を逃すようにして動脈だけを撫で切るか、のど元を突くものでした。
江戸時代になり平和になると、刀の需要は減ってしまうので、刀を売るためには切れ味を売りにしなければなりませんでした。それでよく見る藁を切ってみたりしたわけですが、本来の刀はそういう扱いはしないんです。さらに町井さんは「間違った知識で刀を扱い壊す人が多くいるので、そのような刀に対する都市伝説のようなものを正していきたい」とも話していらっしゃいました。