ドラマ『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』で主演を務める沢口さんが、新しい役への意気込みや、共演者の印象について語りました。
本作は、2010年から続く『絶対零度』シリーズのシーズン5。未解決事件、潜入捜査、未然犯罪捜査に続き、今シリーズで描くのは「情報犯罪特命対策室」(通称:DICT/ディクト)。匿名・流動型犯罪(通称:トクリュウ)に代表される特殊詐欺やサイバーテロなど、数々の情報犯罪に立ち向かいます。

沢口さんが演じるのは、スペシャリストが集まるDICTの最年長で、明るく元気な性格の刑事・二宮奈美。記憶力にすぐれ、人間観察や何気ない会話から情報を拾うことを得意としています。地域住民への聞き込み調査に余念がなく、その姿はまるで井戸端会議のように見えることも…。
主演ドラマ『お江戸捕物日記 照姫七変化』以来、35年ぶりにフジテレビの連続ドラマに出演する沢口さんに、本作への期待や役作り、安田顕さん、横山裕さんら共演者の印象を聞きました(前後編の前編)。
沢口靖子「新たな役と出会えることが嬉しい」
――出演オファーを受けたときは、どんな気持ちでしたか?
『絶対零度』の新シリーズが始まるんだという驚きと、私にオファーをくださったという喜びがありました。『絶対零度』は素晴らしい作品ですので、安心して飛び込めそうだと思いましたし、新たな役と出会えることが嬉しかったです。

――これまでの『絶対零度』シリーズを見て、どのように感じましたか?
シーズン1と2は「未解決の犯罪を絶対に終わらせるんだ」という捜査員たちの強い使命感と、いい意味で普通の感覚を持った新米刑事が、事件を乗り越えるたびにプロフェッショナルに成長していく姿が魅力的で、応援したくなりました。
シーズン3と4は、過去に事件に巻き込まれ“負の記憶”を抱えた、人間味のある人物たちの「事件を未然に防ぎたい」という強い思いと、それぞれが心の傷をどう乗り越えていくのか、というところに見ごたえを感じました。
情報犯罪の “抜け出せない沼”を知り「恐ろしさを感じました」
――台本を読んでの感想を聞かせてください。
「お小遣いを稼ぎたい」など軽い気持ちから情報犯罪に関わってしまい、その結果、家族や大事な人を人質に取られたり、逃れられない脅迫を受けたりして、犯罪に加担してしまう。そういう“抜け出せない沼”にはまってしまうということを、改めて知りました。
また、自分が被害者であると同時に、犯罪組織の末端の実行犯となり、加害者にもなり得る。そんな時代になっているんだという恐ろしさも感じました。本作を通じて、そういう現実をお伝えできたらと思います。

――今回演じる二宮奈美は、沢口さんから見てどんな人物でしょう。
初対面の相手でもすぐに距離を縮めて、親身になって寄り添える、「こんな人が近くにいてくれたらいいな」と思えるような刑事です。瞬時の観察力や記憶力に優れていて、それが捜査に役立つこともあります。
奈美にとって刑事でいることは特別ではなく日常なので、演じるうえでも刑事っぽくない、ナチュラルな話し方にしていきたいと思っています。また奈美は、DICTに配属される前は、生活安全課でいろいろな人の相談に乗ってきました。そういう経験が垣間見える、人の心を自然と開くことができる人物にしていきたいです。