──松浦は、どのような人物だと捉えて演じていますか?
お話をいただいた際に僕からお願いしたことがあって。松浦はホストクラブだけではなく、実業家としていろいろなことをしている人にしてほしい、と。ホストクラブに出すお酒を自分で輸入していたり、「JOKER」という店名を使ったブランドを持っていたり、そういうビジネス感覚を持った人にしたかったんです。
──役の基礎的なところに関する提案をしたのですね。
そうですね。実際、画に映っているか、気づかれた方がいるかはわかりませんが、ホストクラブ「THE JOKER」が入っている建物にも、松浦の名前が入っていて。「松浦ビルディング」なんです。やり手の実業家ですね。
だから、そのつもりで演じています。セリフの言い回しもそうですが、多少のことでは動じない雰囲気も、いろいろな経験をしてきているからという。
沢村一樹 ホスト役の若手キャストの中で気になるのは「坂口涼太郎くん」
──共演前から気になっていたというラウールさんの印象を聞かせてください。
これだけ世間の人たちが注目するということは、“輝くもの”を持っている方なんだろうなと思っていたので、共演が楽しみでした。
それに僕、STARTO社の皆さん、好きなんですよね。最近で言うと木村(拓哉)くんともみっちー(道枝駿佑さん)とも作品でご一緒しましたけど、皆さん1個抜け出たものを持っていて。そういう方との共演は刺激になるので、楽しいです。

──実際にお芝居をしてみていかがですか?
まだ初々しさが残っていますね。最初は「このカヲルという役をどうしようか」と悩んでいて、監督とこまめにコミュニケーションを取りながら手探りで役をつくっていて、それがだんだん完成されていくところも間近で見られて、本当に楽しいです。
──カヲルのライバル・つばさを演じる荒井啓志さんやカヲルの弟分・竹千代を演じる坂口涼太郎さんなど、若いキャストも多いですが、皆さんとの撮影はいかがですか?
彼らはみんな同世代なので、すごく仲良くやっています。でも、お芝居になると、ちょっとでも爪痕を残したいという思いからか、バチバチとした瞬間もあって。見ていて面白いです。何より、みんなリラックスしてお芝居をしているし、僕が若いときとは比べものにならないくらい上手で、感激しました。
──若い皆さんのなかで、沢村さんはどのような立ち位置だったのでしょうか?
僕は松浦みたいに指導をしたりとか、そういうことはなかったです。ただ、みんなにも「俺(松浦)、このシャンパンとかを売っていて、すごく稼いでるからね」「すごい人なんだよ」「(お金)持ってるよ」と言っていたんです。
だから、僕が部屋に入るとみんな素直にバッと立てて、「いつか松浦さんみたいになりたい」と思ってもらえていたと思うし、自然とその空気感も出せていたかなと思っています。
──気になるキャストはいましたか?
坂口涼太郎くんは特に輝いていました。存在感が抜群で、彼がもともと持っている物怖じしない感じが前面に出ていて、あれだけ若いキャストがたくさんいる中で彼のところだけスポットライトが当たっているように見えたんです。
それでいて兄貴分のカヲルをちゃんと立てていますし、ラウールくんも坂口くんがいてくれて助かったんじゃないかな、と。坂口くんの力を感じました。
──最後に、後半の見どころを聞かせてください。
愛実(木村文乃)とカヲルの恋愛の話ではあるんですけど、僕の立場で言うとホスト同士のバトルは見ごたえがあるんじゃないかなと思っています。カヲルとつばさ、今どきの真っ白な男の子たちの戦いを最後まで見守ってください。

撮影:河井彩美