ドラマ、映画、舞台など俳優として多くの作品に出演している北村有起哉さんと仲間由紀恵さん。現在は、木曜劇場『小さい頃は、神様がいて』(フジテレビ)で、夫婦役を演じています。
実生活でも家庭を持つお2人に、ドラマの内容にちなみ、家庭で大切にしている“約束”や子育てで大切にしていることをインタビュー。また、長年活動していて感じる俳優の魅力についても聞きました。
北村有起哉 お酒を飲む際の妻との約束「ちゃんとお水を飲む」
──『小さい頃は、神様がいて』は“約束”が一つのキーになっています。家族で大切にしている“約束”はありますか?
北村:「挨拶さえちゃんとしていれば、絶対に出世する」ということは日々子どもにも伝えています。ちょっと無茶苦茶かもしれませんが(笑)、挨拶を大切にしてほしくて。
──それは、実感からの言葉ですか?
北村:実感というか、やっぱり挨拶をしっかりしていると「活きがいい子だな」と覚えてもらえますし、第一歩として大事だと思うんです。だから、家では結構くどいくらいに言っています。「いただきます」「ごちそうさま」も、ちゃんと言うようにと口うるさく。
仲間:その気持ちはわかります。私も挨拶はちゃんとしてもらいたいので、厳しく伝えています。
あとは、「嘘をつかない」「人に優しくする」「ご飯を食べているときは席を立たない」というような、細かい約束事はたくさんありますね。あまり守ってもらえていないところが、ちょっと悲しいですが(笑)。
でも、「約束だからね」と言うと、大人もちょっと襟を正すようなところもありますよね。だから今は、日々の小さい約束を積み重ねている感じです。
北村:僕自身のことで言うと、外に飲みに行くときに妻から「(酔わないように、お酒と一緒に)ちゃんとお水を飲みなさい」と言われます(笑)。
仲間:ステキな約束ですね。健康第一ですから。
北村:絶対に「ちゃんと水を飲みなさいよ」と言われるのですが、だいたいベロベロになって帰ってしまうんですよね(笑)。
仲間:お水飲んでますか?
北村:飲んでるのですが、お酒の量が多くて…(笑)。でも、そういう心配をしてもらえるとうれしいですし、感謝しています。
仲間由紀恵 子どもとしっかり向き合う時間を大切に「『ここは絶対』というタイミングは逃さない」
──約束の話とつながりますが、お2人が子育てで大切にしていることを聞かせてください。
仲間:手探りの部分は多いですが、子どもの話をよく聞く、できるだけ聞く、向き合う時間をできるだけ作るということは意識しています。これからも続けていきたいことですね。
──忙しいと時間が取れないこともあるのではないでしょうか?
仲間:向き合う時間を作るのは難しいのですが、家事を放ってでも「ここは絶対」というタイミングは逃さないようにしています。
これは、男性と女性では感じ方が違う気がしていて。男性は「え、今だよ?」というタイミングを逃しがちですよね(笑)。
北村:ふふふ(笑)。
仲間:子どもは「お父さん、これできたよ。見て!」とちゃんと言っているのに、ふらっとどこかに行っちゃったりして(笑)。
北村:耳が痛い…僕も気づかないかもしれない(笑)。ただ、できるだけ時間を共有したい思いは僕もあります。
うちの親父はすごく忙しい人で、あまり思い出がなくて。それが当たり前だと思っていたので、特にさみしさを感じたことはなかったのですが、この歳になってようやく「一緒に過ごす時間、少なかったんだな」と気づきました。
だから、今はスケジュールが空いているときは、子どもたちが塾やお稽古事に行くときの送り迎えをしています。1人でも行ける歳ですし、10分弱の距離ではあるのですが、その時間で他愛もない話をして。この時間の積み重ねがあればきっと、いきなり無口になって、いきなり反抗されることはないんじゃないかなと思っています(笑)。
北村有起哉&仲間由紀恵が思う俳優の魅力は?
──俳優として長く活動しているお2人。改めて俳優の魅力をどのように感じていますか?
北村:毎回一期一会で、待つ仕事で、どんな仕事が来るかはめぐり合わせの世界。「こういう役がやりたい」「こういう作品に出たい」と思うことはあっても、そう簡単に思い通りにはならないところもあって、予定が立てられない部分もありますが、そこが醍醐味の一つなのではと思っています。
あとは、定年がないところも魅力ですね。体さえしっかりしていれば、おじいちゃんになったときに、おじいちゃん役ができるってすごくステキな職業だなと思います。
仲間:たしかに、年齢ごとにその年齢に合った芝居ができるというのは、ほかの職業にはない魅力ですね。
北村:シェイクスピアの『リア王』とかも、それなりの年齢の方が演じるでしょ。いつかそういった役ができることを目標に…という思いもあります。
仲間:私は、自分じゃない誰かの人生を生きることができるので、お芝居をするということ自体に面白さを感じています。すごく乱暴な役も、優しい役もありますが、自分と正反対の役こそ振り切って演じることができる、思い切り感情を出せるという楽しさもありますね。月並みですが、これからもいろいろな役に挑戦することができたら幸せです。