梅沢富美男さん主演、土ドラ『浅草ラスボスおばあちゃん』は、失敗したり、空回りしたりしながらも、体当たりでキュートにハートフルに問題を解決。また日向松子(梅沢)自身も、老後の孤独や人生の意味に向き合いながら少しずつ成長していく、人情味あふれる痛快リスタート物語!

<試写室>『浅草ラスボスおばあちゃん』~第1話

梅沢富美男さん主演でありながら、75歳の“おばあちゃん”が主人公で、しかもそのタイトルが『浅草ラスボスおばあちゃん』ときてるのに、そんな概要の時点でキャッチー連発のドラマだというのに、きっと誰よりも冷静に、その概要を咀嚼(そしゃく)し、心乱すことなく、無の境地で、それらを親のような気持ちで、受け止めることができたドラマ好きは、おそらくこの僕、この僕、ただひとり!でしょう!!(急なマウント)

うん、まあ、僕くらいになりますと(僕くらいってなんだよ)、え!?令和のこの時代に!?梅沢富美男さんが主演!?とも、それでいて“おばあちゃん”ってことなの?とも、でそれが「ラスボスおばあちゃん」なわけ!?とも、この僕くらいのレベルになりますと(どのレベルだよ)、かれこれ6年近くも「土ドラ」とともに歩んできた、ドラマ好きクラスになりますと、あー、はいはい、次は梅沢富美男さんね?うんうん、で?あぁ、はいはい。“おばあちゃん”なわけね?で、タイトルは?ってーと『ラスボスおばあちゃん』かい?あー、それはそれは愉快だこと…くらいのリアクションになるわけですよ?うん、僕くらいになりますとね?!(謎に偉そうにし過ぎ)

うん、いやだって、別に梅沢富美男さんが主演だっつったって、この「土ドラ」では、第3シーズンまでつくられ舞台化までされた超人気シリーズ『最高のオバハン 中島ハルコ』を皮切りに、平均年齢70歳以上の高齢ホステスのバーを舞台にした『その女、ジルバ』に、とある村の総領が主人公という萬田久子さん主演の『グランマの憂鬱』に加えてこないだは、そのタイトルズバリ!(?)な『介護スナック ベルサイユ』まで放送してきたわけなんですからね?75歳が主人公なんて、あーはいはい。次は、もっと上できましたね?ってなもんなんですよ。うんうん。

でもって、肝心の、梅沢富美男さんが“おばあちゃん”っていう突飛な設定自体も、この「土ドラ」ときたら、ある日突然お母さん(本上まなみ)がおっさん(塚地武雅)になっちゃったり(『パパがも一度恋をした』)、瀕死のサラリーマンが急に女性化しちゃったり(『個人差あります』)、どう見ても女性のお姿(松井玲奈)なのにさして説明もなくナチュラルに男性だったり(『ギフテッド』)、地球に隕石おちたり(『隕石家族』)、氷河期になったり(『#コールドゲーム』)、生身の人間がタクシーと並走したり(『リカ』)と、うん、まあ多様性が叫ばれるその少し以前から、普通に、何事もなく、多様性してきた「土ドラ」なわけですからね(最後の3作品は関係ないような…)。

梅沢富美男さんが?おばあちゃん?あー、はいはい、梅沢富美男さんは女形のスターだからね?ってな、そんくらいなもんなんですよ。えぇえぇ。

…っとここまで、なぜに、そこまで「土ドラ」熟知マウントを、開陳しちゃってるのか??っていうか毎週お仕事としてお前は原稿書いてんだから、「土ドラ」に詳しいのは当然だろ!!なはずなのに、なぜにそこまで偉そうなのか?…つまり、僕が何を言いたいのか?

…うん、それは、僕のように「土ドラ」=梅沢富美男さん主演×75歳のおばあちゃん×「浅草ラスボスおばあちゃん」に、なんの違和感も持たない特殊な人でなくても、このドラマ、なぜか見てしまったら、あら不思議!!…梅沢富美男さん主演×75歳のおばあちゃん×「浅草ラスボスおばあちゃん」なのに!!なのになのに!!まさかまさか!!なんの、なんの違和感も!!!感じさせない!!!ミラクルドラマになっているのです!!ということ。

なんという、不思議過ぎる、不思議視聴体験!!!梅沢富美男さん主演×75歳のおばあちゃん×「浅草ラスボスおばあちゃん」なのに!!なのにだよ!?(何回言うんだよ)それだっていうのに、開始数秒で、この世界観に、妙に没入できてしまう!!不思議過ぎる、不思議視聴体験!!