今になって改めて梅沢富美男さんの凄みを体感することができる!
で、とはいえ、その“違和感がない”は、決して、梅沢富美男さん主演×75歳のおばあちゃん×「浅草ラスボスおばあちゃん」(しつこい!)から想像できる、あー、はいはい。そういう感じね?そういう感じ?予想できる!それそれ、そういう感じ?だから、“違和感がない”ってことね!!ってことでもないのです(どういう感じだよ)。おばあちゃんが、“良いこといってるドラマ”じゃあ、決してないのです!!
今作、何度も言うように梅沢富美男さんが演じる75歳のおばあちゃんが主人公で、しかもその仲間たちが、浅丘ルリ子さんに、研ナオコさんという、もうそこにいるだけでとてつもない存在感に加え、なんか普通にちょっと話すだけで金言、になりそうなキャスティングだっていうのに、そんな“ありがたみ”しかないはずなのに、その“ありがたみ”にまったく頼らない!

むしろ、さして“良いこと”も言わない!そんなドラマに仕上がっているのです。
うんでも、とはいえ、まったく“良いこと”を言わないわけでもないんですよ。
主人公のおばあちゃん・松子(梅沢)はもちろん“良いこと”を言うんだけど、それと同じだけ、突然出てきたおじさんだって、お姉さんだって、みんなおしなべて“良いこと”を言う、そんな世界を描いている…のが『浅草ラスボスおばあちゃん』なのです!!ラスボス!!とか言ってるのに!!!
で、そんな世界観、“違和感がない”世界観を、成立させているのは、当然、梅沢富美男さんのおかげなのです。いくら女形のスター・梅沢さんだっつったって、普通のおばあちゃんを演じる、しかも「ラスボスおばあちゃん」と自ら名乗るくらいの人物なんだから、少なからずの出オチ感=一回見ただけでお腹いっぱいになってもおかしくないのに、梅沢さんが演じる主人公・松子が登場したその瞬間…。
さもありなん…どころか、それが当然、普通と思わせるマジカル!それどころか、違和感の“違”の字すらよぎらすことなく、普通に物語へと誘ってしまう。得も言われぬ不思議視聴体験!!(何回言うんだよ)

とにもかくにも、こんなドラマ見たことない!!ので、見てほしいんですが、とりあえず確実に言えることは、おばあちゃんが世直しするわよ!!的な安易なドラマではなく、痛快さももちろんあるんだけど、痛快より悲哀多め。でもって、まさか、今になって改めて梅沢富美男さんの凄(すご)みを体感することができる!!そんな、ドラマ!!です!!

