<片山右京 コメント>

片山右京

僕はフォーミュラEの黎明(れいめい)期にも解説を担当していましたが、「あのころ描いていた夢が今、現実になりつつある」と感じています。それほど、マシンが劇的な進化を遂げているのです。

昔はバッテリー容量が少なく、1レースを走りきれなかったマシン。それがいつしか乗り換えなしで完走できるようになり、スピードも世界屈指といっても過言ではないほど速くなりました。環境性能やSDGsが注目されがちなフォーミュラEですが、本当に面白く、見応えのあるシリーズになったと思います。

見どころは、やはり激しいバトルです。フォーミュラEはF1などと比べて少しマシンが小さいこともあり、ドライバーたちが果敢に仕掛けていくんです。スリーワイド(3台のマシンが横並びになって競り合う状態)なんて当たり前だし、コーナーにも猛然と飛び込んでいく。これは見ていて迫力があると思います。

また、どのタイミングで最高出力を出して仕掛けるか、そしてその分をどこでセーブしてバッテリーを持たせるか。電力のマネジメントや戦略が勝負の大きな分かれ目となるので、そういった点にも注目していただけると、よりレースが楽しめると思います。