――約90年前が舞台となっていますが、この時代についてどんな印象をもちましたか?

昭和初期って映画やドラマなどで意外と描かれていない時代なので、自分なりに調べてはいるものの、撮影現場に行ってみて「こういうものなんだ!」という発見がとても多いです。僕は軍艦の中のガンルームと呼ばれる一室でのシーンが多いのですが、セットや小道具など初めて目にするものが多くて、実は最も知らない時代なのかもと感じました。

――軍服がとてもお似合いですが、小関さんのおじいさまが実際に海軍出身だったとか。

軍服を着用した画像をさっそく祖父に送ったところ、「カッコいいね」と喜んでくれて、「階級は?」と質問されました(笑)。僕のほうは役柄なので同じ道とはいえないけれど、同じところをたどれたことに感動しました。

本田響矢とのかけ合いはパズルがピタリとハマった感覚

――瀧昌役の本田さんとは今回が初共演ですが、お芝居のセッションの中でどのようなことを感じましたか?

原作を読みながら、タイプがまったく異なる深見と瀧昌が気のおけない間柄になっている理由は何だろうと考えて、僕が感じた深見像と響矢くんが感じた瀧昌像を持ち寄ってお芝居を合わせてみたところ、うまく混ざり合った感があったんです。

小関裕太(左)と本田響矢(右)

深見と瀧昌の「いじり」「いじられ」みたいな関係性が、まるでパズルの凹凸がピタリと噛み合うような感覚というのかな。響矢くんのナチュラルなお芝居が影響していたのかもしれないし、大きな安心感がありました。