──お2人は今回初共演ですが、これまで交流や接点はありましたか?

中島:実は、まったくなくて。衣装合わせのとき、僕の前が板垣さんで「どうも!」って、初めてお話しした感じです。もちろん、作品は拝見していて存じ上げていますという距離感で…。

板垣:そうなんですよね。

中島:これから一緒にやっていくうちに、だんだん敬語で話さなくてもよくなっていくのかなと。

板垣:僕は、映画やドラマ、バラエティで中島さんを拝見していて感じるオーラというか雰囲気から、時間の流れがちょっとスローで、優しい方なんだろうなと思っていました。

薪は鈴木の包容力に触れて、鈴木と関係が深くなっていくうちに彼をよりどころにしていると思うのですが、きっと中島さんには鈴木と近い部分があって、薪が鈴木を頼りにしていたように、僕も撮影が進むなかで中島さんのお人柄に助けていただくことになりそうです。

中島:板垣さんは、仕事に対する向き合い方に、芯の通った強さがあるんじゃないかなと思ってます。よく笑うし楽しい方なんだけど、仕事に向き合うときは、しっかり切り替えて、その芯の強さでみんなを引っ張ってくれる気がします。

薪は、第九のメンバーに厳しく接する一方で、第九を引っ張っていく役どころでもあると思うので、板垣さんも薪みたいに頼れそう。

板垣:頑張ります!

板垣李光人 原作を読んで薪と鈴木の関係性に号泣

──学生時代からの親友であり、第九で一緒に事件捜査に取り組む薪と鈴木、上司と部下となる薪と青木の関係性について、どんなことを感じますか?

板垣:薪も、鈴木と青木も、複雑なものをそれぞれ抱えていて。僕は原作を読んで、薪が夜遅くにタクシーで駆け付けてくれた鈴木から「そんな風に笑うのなら深夜料金ぐらいいくらでも払うよ」と言われるシーンで、めちゃくちゃ泣いたんです。自分が演じる薪に対して感情移入して読んでいたから、なおさらだったと思うんですけど。

愛情や人とのコミュニケーションが欠落したまま生きてきた薪にとって鈴木は、一番求めていた言葉をくれる人であり、そばにいてほしいと思える人。家族でも恋人でも友人でもなくて、超越した存在じゃないかなと。

薪がそんな相手を失ってしまったのは、想像を絶することで。薪の人物像は、さまざまな経験がとても細かくて厚い層になって形成されている。その繊細さは薪にとって大事なことであり、自分が演じていくうえで、とてもやりがいがあると思ってます。

中島:青木は今後、薪の過去に何があったのか、鈴木がどういう人だったのかということを知ろうとするんです。そのうえで、薪のことをおもんぱかって、そばにいたり、支えたりする、青木の後輩としての思いやりが見えてくると思います。

そういうところを1人2役でやるのが難しいですけど、鈴木も青木も一貫して、薪への思いは大事にして演じたいですね。なので、薪を気遣う鈴木と青木のように、僕も現場では板垣くんの様子をよく観察していようと思います。今大丈夫かな、疲れてないかな、と(笑)。

板垣:よろしくお願いします(笑)。

取材・文:伊沢晶子