<若葉竜也 コメント>
――ついにラスト2回の放送となりました。今の心境を聞かせてください。
心血注いだだけあって、後半に向かって少しずつ数字も上がってきましたし、今までドラマを久しく見てなかった方々の声も多くいただくので、それはすごく心の支えになりますね。丁寧にやって良かったなと。
――『アンメット』キャスト陣の演技に賞賛の声が多く、「三瓶先生」や「若葉竜也」など若葉さんの関連ワードがトレンドにランクインすることも多いです。ご自身が実感する反響はどんなものがありますか?
近所のコンビニの店員さんに顔がバレたくらいですかね(笑)。あまり外出しないので、実感みたいなのはあまりないです。嬉しかったこととしてはSNSに頂いたコメントで、お医者さんを目指していたけど、持病もあり諦めていたという方から、『アンメット』を見て、やっぱり医者をめざしてみようと自分で決めましたっていうコメントをいただいたり、あと、高次脳機能障害の小さい男の子を持つお母さんから、温かいメッセージをいただいたんですけど、テレビで『アンメット』を見て、その子が泣いてたらしいんです。お母さんが、『どうして泣いてるの?』て聞いたら、『わかんない…』って言っていたらしくて。反響をいただいたり、数字が伸びているというのは、もちろん嬉しいんですけど、そういうメッセージをいただくことが、『アンメット』をやってる意味があったなと、僕が一番うれしかったのは、そこですかね。
――SNSでは、三瓶先生がミヤビにもらったロールキャベツは味わいたいから右手で食べるけれど、普段は医者の鍛錬として左手でご飯を食べていることについて「演技が細かい」との声がありますが、左手を使うことで苦労したことなどはありますか?
あれは別に誰に言われたわけでもないのですが、僕は利き手が右手なんですけど、勝手にやり始めましたね。原作にも三瓶が、普段は左手で食べるけど何かきっかけがあれば、右手で食べるという描写が少しあって頭にあったので、割と自然にやりはじめました。このシーンでは、左手、このシーンなら右手かなというのを自分の感覚でやっているという感じですかね。今はもう、左手で食べられるようになったんですけど、練習中は毎日家でも左手で食べるようにはしてましたね。一切説明もないのにそんな所に気づいてくれる人たちがいるなんて嬉しいですね。
――杉咲さんも「若葉さんは器用で、何でもすぐに習得する」と話していました。運動でもそうですか?スケボーもすぐ習得されたと聞きました。
わりと、そうかもしれないです。ダンス以外は…。仕事でスケボーに乗る役といわれて、経験はなかったんですけど、2回くらい乗ってみたら、あ、意外と乗れるな。ってなって、監督もイケる!と思ったのか渋谷の街を走らされて冷や汗をかきました。器用貧乏なんです。
――ネットで若葉さんが「世界に知られてしまったか」と話題になりました。それは「俺たちの若葉竜也が世間に見つかってしまった!」というようなファンの熱量を感じます。そういった声は届いていますか?
めちゃくちゃ届いています(笑)。昔から応援してくださっているファンの方、僕がまったく仕事をしていない時から見てくれている人は、ある程度認識してるんで。本当に礼儀正しくて、秩序が守られたファンの方が多くて、人格がすごく素敵なんだろうなと思います。ただ、やっぱり僕はひっそりと暮らしていたいですね。有名になることとか、ブレイクとか、本当に興味がないんだと思います。
――第7話で今泉力哉監督がコーヒーショップの店員役として出演しました。
今泉さんが出たらきっと面白いだろうなと前からぼんやり思っていて…。プロデューサーの米田さんや杉咲さんに話したら、2人とも今泉さんどうかなと同じように思っていたみたいで、なるほどじゃあどこではめられるかなと…カフェ店員役はわりと満場一致でしたね。
――これまでの放送で、好きなシーンや印象に残ったセリフがあれば、教えてください。
アドリブっぽく見えるとこほど、実は台本があって、台本にないアドリブは、わりとバレてないんです。そういったあたりの感想をみて、ニヤニヤしてますね。例えば、第6話の『チクっとしますよ』というのは、台本通りです。あれは、何カットも撮った上で笑うタイミングとか、セリフの間とかしっかり作られた芝居として存在していて。逆に、第3話の『ぶっ飛ばします。昨日ロッキー見たんで』、あれはアドリブですね。原作の中に、三瓶は、ロッキーが好きというくだりがあったので、頭にあって。その場でやってみて、そのシーンを撮影してから、スタッフさんがセリフとして“ロッキー”が使えるかを確認してましたね。台本では『あの野郎』だけでした。そういうシーンはたくさんあるので見つけてください。自分のお気に入りを探してくれたら嬉しいです。個人的には星前(千葉雄大)がお母さんのことを話すシーン。感動しました。素晴らしすぎるお芝居でしたよね。あとは術者の景色を見たミヤビが「忘れたくないなぁ」と呟くシーン。杉咲さんがあの台詞をあの温度で発したことに鳥肌が立ちました。第4話のラスト、綾野の「前にもこんなことあったな」ってとこも本当に素晴らしかったですね。
――第10話や最終話に向けて『アンメット』視聴者にメッセージをお願いします。
前回放送の第9話は、『アンメット』チーフ助監督の日髙(貴士)さんが監督をしていて、ずっと傍らで見てくれていた方だったというのもあって、自由にやらせてもらいました。最後のシーンは、14分長回しだったり。近くで見ていてくれたからこそ、撮れた画がたくさんある。照明部、撮影部、録音部、演出部という各部署が力をあわせていろんなアイデアを出して一致団結できたなと思います。撮影前のリハーサルでは数十人のスタッフが輪になって芝居を確認して1カットのために1時間以上セッティングして全員緊張してカメラがまわる。最高に贅沢な時間でした。第10話、第11話は、またメイン監督のYuki(Saito)監督が担います。Yuki監督は繊細に芝居をみて、掬(すく)い取ってそれをしっかり作品に組み込む方なので俳優としては緊張する相手です。同時に僕もそんな監督がなにを見つめているのかを細かく見ています。演出家と俳優として緊張感がある理想的な関係性なので、一瞬の油断もできません。我々は第9話ラストから第10話、第11話は1本の作品だと思ってます。いろいろなものがうごめき出していきます。ぜひ目撃してください。
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