太陽は、日下と千秋に、この雨を止ませられないかと聞く。だが日下は、「我々は無力です」と返すだけだった。

すると千秋が、「私がこの雨を止ませます」と言いだす。

千秋は、天との約束を破って太陽の母であることを明かせば、月明かりに溶けて消えてしまう存在。「月が出るとき、きっと空は晴れているから」。千秋はそう言って笑い、太陽の制止も聞かず「私、あなたのお母さんなの」と告げる。

「いつかたくさんの人を幸せにする花火を作ってね」という約束があったから今日まで頑張れたと伝える太陽。千秋は、大人になった太陽と春陽に出逢えて本当にうれしい、と返すと、雨の心に太陽の花火を届けてあげて、と送り出した。

アスファルトを打つ雨粒が段々と弱くなり、やがて満月が顔をのぞかせる。

何度も転びながら、太陽のもとへと急ぐ雨。そこに駆けつけた春陽は、「私が絶対間に合わせる」といって雨の体を支え、一緒に会場へと歩き始めた。