バカリズム 脚本を書くより役者専業のほうが気が楽!?

──それぞれが演じる役柄に共感する部分はありますか?

篠原:できていたことができなくなる(=イップス)ということは、分かる気がしていて。ミコや森野のような大きなことではないですが、自分にも「あれ、なんかうまくできないな」と思うことはありますから。それがイップスなのかは分からないですが。

──そういう共感があると、役は作りやすいのでしょうか?

篠原:そうですね…ミコは明るくて、図々しいというか、なんでもあまり考えずに物事を発言してしまうキャラクター。だからこそ、イップス状態の精神的なところは大事に演じたいなと思っています。

──バカリズムさんはいかがですか?

バカリズム:高校時代に野球をやっていて、僕もですがチームメイトも割とよくイップス状態になっていたんです。でも、当時は「イップス」という言葉がメジャーじゃなかったですし、イップスだということを自覚していなかったので、「スポーツの世界によくある現象」として捉えていました。

大人になってから、「あ、あれってイップスって言うんだ」と知りましたね。ただ、経験していることではあるので、森野の気持ちに共感はできるかなと思っています。

──森野の人間性や性格には共感できますか?

バカリズム:うーん…実際の自分の性格よりもだいぶ嫌な人間だなと思いながら演じているので、共感はできないですね(笑)。

──篠原さんはミステリー作家を演じるのは初めてかと思います。役作りはどのようにしましたか?

篠原:ミステリー作家の方って、どんな洋服を着て、どんな見た目をしていて、どんな発言の仕方をするんだろうと思っていろいろと調べました。そのニュアンスをミコにも取り入れようと思って、試したのですが…現場で全部消えました(笑)。

バカリズム:え?なんでですか!?

篠原:いろいろと中途半端な感じがして、周りの方の意見もあって、全部調べてきたことは忘れました!

──忘れた結果、どのような役の方向性にしたのでしょうか?

篠原:それは…自分の中でもまだ分かっていなくて(笑)。

バカリズム:ははは(笑)。

篠原:だから今、スタッフさんを見ながら「大丈夫ですか?」と探っています(笑)。

バカリズム:でも、調べたことはムダにはなってないですからね。いろいろなものを見た時点で吸収してると思うので。

篠原:吸収はしてると思うんですけど、何も結果として出てないです(笑)。

バカリズム:フォローすると、そんなこと言いながらも、ちゃんと黒羽ミコという人物はちゃんと出来上がってますので。

篠原:ありがとうございます!

──バカリズムさんは今作には役者として携わっていますが、脚本家と役者で作品に関わる心境は違うのでしょうか?

バカリズム:違いますね。演じる側には演じる側の責任はあるのですが、脚本を書くよりも気が楽ですね。自分が脚本を書いていないという“強み”があるので(笑)。

最近、「脚本・バカリズム」と大きくうたわれることが多くて、それがものすごくプレッシャーなんです。「全部お前の責任だ!」と言われているみたいな(笑)。でも、今回はそのプレッシャーがないですし、そもそもの責任の種類が違うので、割と気楽にやらせてもらっています。