2024年7月26日に開会式が行われるパリオリンピックのメダル候補を紹介する「メダルへの道」。今回は、2021年の東京オリンピックを制した柔道女子52キロ級の金メダル候補、阿部詩選手・24歳(パーク24所属)です。兄である阿部一二三選手と共に、兄妹で前人未踏のオリンピック同日連覇に挑む阿部詩選手の東京オリンピック後に下した大きな決断とそこからの進化に迫ります。
阿部詩「常に前を向く」強い気持ちで史上初の大偉業へ
阿部詩選手:怪物になりたい。普通の強いとかじゃなく。変な女子高生ですよね。
6年前、当時18歳の詩選手はまっすぐな瞳で、そう力強く語っていました。
その言葉通り、2018年、2019年と世界選手権を連覇し、高みへ駆け上がります。
そして迎えた2021年の東京オリンピック、初の大舞台でもその実力を遺憾なく発揮し、圧倒的な強さで金メダルを獲得!
しかしその一方で、長年悩まされ続ける不安もありました。
東京オリンピック前、2019年から両肩に痛みを抱えていたという詩選手は、2021年秋、パリオリンピックを見据え手術を決断しました。
阿部詩選手:(手術をすれば)絶対自分の柔道ができるようになるというのはずっと思ってたんで、不安というよりかはここからどんだけ強くなれるんだろうという、ちょっとしたワクワクを抱きながら過ごしていました。
およそ半年間、畳を離れ柔道ができないという状況の中でも前向きだったと振り返った詩選手。
手術を終え両肩の不安がなくなった詩選手は本来の持ち味である豪快な「投技」が復活し、復帰後の国際大会でも負けなし。世界中が敷く"包囲網"をものともせず、周囲からの期待に応え続けます。
さらに、元々苦手としていた「寝技」を克服したことが、今の詩選手の強さを支えていました。
酒主アナ:元々寝技は好きだった?
阿部詩選手:元々すごく嫌いで。最近になってやっと身についてきたかなと。投げきれなかったりとか対策されてたりとかという相手に対しては、寝技で決めに行くという一つの方法が増えたので、すごくそういう部分は進化した
より進化を遂げた詩選手、2023年12月の国際大会では決まった技の半分が「寝技」という結果に。「投技」に「寝技」が加わりまさに「鬼に金棒」となりました。
畳の上では無類の強さを誇る最強女子ですが、可愛らしい験担ぎも。
詩選手の足下に注目してみると「バナナ柄の靴下」を着用しています。これは大会の時必ず履いていて、およそ8年も大切に使い続けているといいます。
刻一刻と近づくパリオリンピックで、兄・一二三選手と史上初の大偉業を目指す一方である一抹の不安があると言います。
それが"試合の順番"だそうで、東京オリンピックでは詩選手が先で、兄・一二三選手が後だったものが、パリオリンピックでは逆になります。
以前、この順番で行われた大会でキャリア史上唯一外国人に黒星を喫してしまった詩選手は「結構それで苦い思い出があるので、聞いた時はびっくりしてちょっと不安になったんですけど」と振り返りつつも、前を向きます。
阿部詩選手:順番はしょうがないかなと思うので、しっかり受け止めて。どういう流れにも流されないように、しっかり強い自分というのを作っていかないといけないなと思ってます。
どんな試練でも「常に前を向く」、詩選手の「強い気持ち」がメダルへの道です。
阿部詩選手:本当にここまで来れたのは、兄がいたからこそだと思うので。切磋琢磨しながら今回のオリンピックも2人で優勝したいです。
(『めざましテレビ』2024年7月18日放送より)