――芳根さんと本田さんのお芝居で、想像を超えていた場面はありますか。

平野:第2話で、芳根さん演じるなつ美は、千人針(※)をする女性たちに気づかなかった自分を責めて帰宅しましたが、そこで涙を流すとは僕も想像していませんでした。芳根さんは瞳の真ん中から涙をスーッと流してくれて、ストーリーの重みを改めて感じましたし、ドキッとしました。

(※)千人針:出征する兵士の無事や活躍を祈り、一枚の白い布に、大勢の女性が赤い糸で1人1針ずつ結び目を作るお守り。

落ち込んだまま玄関で不安そうにしているなつ美に、瀧昌が「ちょっと来て」と手を握るところも、意外と色っぽくて。「なんだよ、響矢すげぇいい表情するじゃねえか!」と思いました(笑)。なつ美と瀧昌は結婚して1年経っていることもあり、今作では自然に触れ合う場面が増えています。

実はこの場面、二人が玄関から上がって、次の場面ではもう座っている、という(カットの)つなぎ方でもよかったのですが、瀧昌が座布団を置いてなつ美を座らせるところまで一連で映していて。ほとんどのドラマでは飛ばしてしまいがちな動作も、この作品では丁寧に描いたほうがいいと、役者さんたちから改めて学びました。

『波うららかに、めおと日和』第2話より

宋:私が想像を超えていたと思った場面は2つあります。1つは、第2話で、なつ美が瀧昌の採寸をするところ。原作でも好きな場面ですが、こんなに大笑いするシーンになるとは思っていませんでした。大笑いから胸キュンまで持っていけるのは、平野監督だからこそだと思います。

もう1つは、なつ美が一人でご飯を食べながら泣く場面です。瀧昌と会えない時間を自分なりに受け止めようとする健気さに、前作から成長した姿が表れていて、なつ美の思いが想像以上に伝わってきました。

第2話の“採寸シーン”で加えた演出は?「撮影していて面白かった」

――採寸の場面では、どんな演出をしたのでしょうか。

平野:瀧昌がなかなか起きない人だと見せておけば、採寸の場面も視聴者のみなさんに納得してもらえるかなと思って、第2話の冒頭で、なつ美とふゆ子(小川彩)が寝ている瀧昌を引っ張って移動させる場面を入れました。

『波うららかに、めおと日和』第2話より

採寸中に、なつ美が顔をのぞき込んで「わっ」となったり、布団をかぶったりする仕草も足しています。「これじゃ夜這い!」「急がなきゃ!」と慌てるところからスイッチを入れたくて、芳根さんには「(瀧昌を)物として扱ってくれ」とお願いしました。こちらも撮影をしていて面白かったですね。