ナレーション収録後、永作博美さんに話を聞きました。2年前にこの物語のナレーションを担当したときから、母と息子の物語を見守ってきた気持ち。そして貴美子さんの姿から学んだ「親として子どもを送り出すこと」について語ってくれました。

永作博美「これは私の感情?」母が息子を手放す瞬間に学んだこと

――後編では、ユウキさんとの出会いによって、大貴さんの世界が大きく広がっていきます。その変化をどのようにご覧になりましたか?

思いがけずお店を閉めなければならない時期があり、大貴さんに少し余裕ができたからこそ、生まれた出会いかもしれません。ずっと店で母と息子、二人三脚でやっていたら、こうした変化は起きなかったかもしれない。

突然、風が吹くことがある。だからこそ、信じるものがある限りは、やり続けることにも意味があるのかなと思いました。

――一方で、息子が自分の手を離れていくことに、母・貴美子さんの心は大きく揺れます。

親は子どもに早く独り立ちしてもらいたいと、心から望んでいる。それなのに、いざ離れていくと感じた瞬間には、引き留めようとしてしまうんですよね。

本当なら背中を押してあげたいところなのに、心配する気持ちが先に出る。その揺れ動く姿を隠さずに見せてくださった貴美子さんは、すごく正直な方だなと思いました。私も母親として、とても勉強になりました。

永作博美

――貴美子さんの姿を見て、ご自身のお子さんとの向き合い方について、何を考えましたか?

いざ子どもが自分から離れていくときに「行ってこい」と言える人になりたいと思いました。
親はどうしても心配ですし、いろいろと言いたくなります。私もいろいろ言ってしまいそうです。でもできる限り、言いたくなったことを止めようと思いました。

貴美子さんを見ながら、「これは私の感情?」と、一度考えることの大切さを教えてもらいました。

――親として「こちらのほうが向いている」と思うことと、子ども本人が選ぶ道が違う場合もありますよね。永作さんは、そんなときどう向き合っていますか?

一緒に暮らしていると、「これは得意だよね」「これは好きだよね」という子どもの特徴が、親には見えてきます。本人がやりたいこととは別に、「こっちのほうが合っているのにな」と思うこともありますよね。

それでも、なるべく本人がやりたいと言ったことをやらせて、親はそれを応援する。難しいですけどね。心配はいったん自分の中に収めて、子どもの選択を見守ることも必要なのでしょうね。自分で決めるって大事な経験ですものね。

――前回の取材から約2年がたち、ご自身のお子さんたちとの距離にも変化はありましたか?

すでに少しずつ離れてきている感じがあります。もう「寂しい」というところは、ちょっと超えていますね。

子どもたちも、少しずつ自分で考えられるようになってきました。だから、何かが起きない限りは、少し放っておいて見ていようかなと。今の私は、ただご飯を作って、食べさせる人になっています。つかの間の時間かもしれませんが(笑)。

――ご家庭での食事について、最近変えたことはありますか?

以前は兄妹それぞれの好みに合わせて料理を作り分けることもありましたが、最近は同じものを出すようにしています。嫌いなものでも、食卓に出さなければ触れる機会がなくなってしまいますから。「嫌いって言ったじゃん」と言われても、知らないふりをして出しています(笑)。

――後編の見どころを教えてください。

前編の紆余曲折を経て、後編では物語にぐっと引き込まれました。

新しい出会いによって大貴さんが変わり、その姿を見ながら貴美子さんの心も揺れ動きます。ずっと一緒に歩んできた母と息子が、どのように新しい関係へ進んでいくのかを見届けていただきたいです。

終盤には、二人が長い時間をかけて積み重ねてきたものが伝わってくる場面もあります。私はそこで泣いてしまいました。ぜひ最後までご覧ください。

<YouTube「フジテレビドキュメンタリー」では、『ザ・ノンフィクション』の予告を配信中。9月27日(日)14時~「母と息子のやさしいごはん3~僕と母さんとハンバーグ~ 後編」予告>

無料配信スケジュール

過去の放送はTVer・FODで、期間限定で無料配信中!

9月6日・13日放送「人生 最期までお付き合い 」前後編(語り:尾野真千子さん):10月11日まで

9月20日・27日放送「母と息子のやさしいごはん3 」前後編(語り:永作博美さん):放送直後から10月25日まで