今井文也&坂泰斗が思う『ギヴン』の魅力は?
──柊と玄純、お互いから見た相手の魅力はどんなところでしょうか?
坂:柊がいないと玄純は成り立たない。だから、空気みたいな存在でしょうか。
いて当たり前なんだけど、いてくれないと困る…何と言えばいいのか。他の人は柊の魅力を「華があって人を引き付ける力」と語ると思うんですけど、玄純が見ているのはそこじゃない気がするんですよね。
今井:分かります。玄純は、原作や今作を含めたアニメを見ていて、「人間って結構変わるんだな」と思いました。今までブレがない人に見えていたけど、先ほど話した笑顔のシーンでも、人間的に大きな変化を感じて。
玄純自身は気づいているのかな。変わろうとしているのかな。そういう部分が生々しく感じますし、変わっていく姿はステキだなと思いました。
坂:すごく“生きてる”っていう感じだよね。
今井:人間味がありますね。
──原作漫画が連載開始されてから約11年、アニメ放送開始から約6年。ここまで長く愛されてきた『ギヴン』の魅力はどこにあると思いますか?
今井:アニメで言えば、ちょっとリアル寄りなお芝居や音へのこだわり、セリフがない部分の描き方が他の作品と一味違うのかなと思っています。
あとは、アフレコ現場の、男子校のような和気あいあいとした空気感が反映されているのも魅力ですね。
坂:僕自身バンドをやっていたので分かるのですが、音楽をやるうえでぶつかることも、メンバー間で噛み合わないこともすごく多いんです。そのバンドの物語と、成長途中の高校生たちの成長が掛け合わされて、人間ドラマにより深みが増している作品だなと感じています。
人間の繊細な部分までしっかり描く作品だからこそ、皆さんに共感していただけているのかな、と思っています。