元宝塚歌劇団雪組トップスターの彩風咲奈さんが、初共演の松下優也さんから受けた刺激について語りました。

彩風さんは2007年に宝塚歌劇団に入団後、舞台映えする長身を生かした、しなやかなダンスでファンを魅了。2021年に雪組トップスターに就任し、高い人気を誇りました。

2024年の退団後はコンサートを開催し、2026年はミュージカル『天使にラブ・ソングを〜シスター・アクト〜』『HiGH&LOW THE 戦国 外伝』に続き、10月6日開幕の舞台『THE ALUCARD SHOW』に出演します。

本作は、ヴァンパイアをモチーフに、カリスマボーカリスト・ブラド(松下優也)率いる謎のグループ「アルカード」と、彼らに人生を狂わされる人々を描いた物語。2013年の初演ではミステリアスな世界観とハイレベルなパフォーマンスが評判を呼び、翌年に再演。“伝説の作品”が12年の時を経て帰ってきます。

ブラドに狂わされる国民的人気アーティスト・マリアを演じる彩風さんにインタビュー。「怖くなった」という作品の感想や、出演への意気込み、松下さんの印象などについて聞きました(前後編の前編)。

彩風咲奈 ホラーが苦手だけれど…「“怖い”という感情を忘れずに」

――本作は、演劇でもミュージカルでもない新感覚エンタテインメント・パフォーマンスショーです。オファーを受けた際の心境を教えてください。

歌やダンスをはじめとしたパフォーマンスと、ホラーとアートが融合したストーリーということで、初めは「どんな作品だろう?」と思いましたが、台本を読んだらとても面白そうで惹(ひ)かれました。これからお稽古に入るのがすごく楽しみです。

――歌、ダンス、芝居…いろいろな要素が凝縮された作品です。宝塚歌劇団で長年培ってきた表現との共通点は感じますか?

そうですね。ただ、宝塚時代は、ファンのみなさまが観たいと思う“宝塚の世界観”があり、私はその中でできる最大のパフォーマンスを目指していました。今回の作品は、そういう枠がないというか、どんなものが飛び出すか分からない“自由さ”があると思うので、楽しみです。

――国民的人気アーティストのマリアは、人気を維持するために6人のバックダンサーを起用しますが、彼らとボーカル・ブラド(松下)に、主役の座を奪われてしまいます。台本を読んだ感想を聞かせてください。

私は台本を読むとき、役を意識せず、なるべくフラットに読むように意識しています。でも、もともとホラーが少し苦手なので、今回は途中で「これどうなっちゃうの!?」と怖くなって(笑)。そのときに感じた“リアルな怖さ”を覚えておこうと思いました。

きっとマリアも、不穏なことが次々と起きて「この先一体どうなってしまうんだろう」と不安に思っただろうなと。最後まですべてを回収しきらず、謎や余韻が残るところが、この作品の面白いところですし、私自身が抱いた“怖い”という感情を忘れずに、マリア役に挑みたいと思っています。