ずっとまだまだ見ていたい!んだけど、どんな終わりを見せてくれるのか

②終盤の展開予想をことごとくハズしていく“すごさ”

でもって、このドラマは、僕みたいな、頭だけで考えがちなドラマ好きの“予想”ってのを、ことごとくハズしていく、“すごさ”がありますよね。

だって、このドラマの大きなフックは、2つあったと思うんです。ひとつは、ヨウコが日本の医師免許を持っていないこと。そして、もうひとつは、舞が実は3年先まで予約が埋まっているような伝説のSM嬢であること。

だもんで、このドラマの序盤、連続ドラマとしての、終盤の大きな盛り上がりをどうつくるか?ってのを、素人ながらに、浅はかに、想像したとき、明らかにヨウコの医師免許問題のほうが、“デカい”わけだから、それでもって終盤の盛り上がり、クライマックスをもってくる、ってのは、想像っていうより、そう考えて“当然”だった…はず、なんです。

だけどだけど、まさか、SM問題は中盤であっさり明らかになって、なんなら超人気SM嬢っていう立場もすぐさま辞めちゃってて、それでもってしのぶさん(塚地武雅)のエピソード(第7話)の前振りともいえるような、笑いで埋め尽くされた、抱腹絶倒のクレイジーナイト回(?)へと昇華させてしまう…すごさ。

そして医師免許問題に至っては、中盤でバレたらまずい!というほんのりのサスペンス要素はあったものの、日本の医師免許を取ればいいんじゃ!!勉強すればええんじゃ!!っていう、むしろ一生懸命勉強するヨウコを見せて、ハートウォーミングで難なく収めてしまう…すごさ。

きっとどちらかを表立って強く描いていたとしたら、それらは、ドラマを盛り上げるためだけの“装置”にしかなっていなかったと思うんだけど、それらをさりげなくサラッとスマートに描くことで、医師免許がない問題については、ヨウコの強さと一生懸命さを改めて表現してみせて、舞のSM嬢については、舞の生い立ちの複雑さと今回の第10話にもつながる迷いを強調するような効果になってて、どちらもエピソードとして長く描くよりも、考えさせる余地=“深み”を与えている…。

で、じゃあ、このドラマの最後、何で盛り上げるのか?って思ったら、まさかのコロナウイルスに続く、新種の未知のウイルスが出てきて、それでもって、病床に入れば、誰しも“平等”ってのを、ここでも改めて描いて見せる…ってさ…すごすぎて言葉も出ないですよ…。

で、新種のウイルスってのも、急に出てくるし、話もデカすぎるから、それこそドラマ終盤にもってこいの、“装置”になりかねない、はずなのに、そうはさせない、んですよね。

だって、これまで散々問うてきた、このドラマが描く“平等”のアンサーに近づけるには、新種のウイルスのエピソードが必要で、なんなら、今、この時代に医療ドラマを作るには、“新型コロナウイルス”の描写は避けて通れなくて、でもって、宮藤官九郎さんが、なぜ、今、医療ドラマをやるのか?ってのは、それはただただ笑って泣ける医療ドラマを、宮藤官九郎ワールドで仕立ててみせました…っていう、それだけじゃ、僕らドラマウォッチャーとしては、きっと物足りなかった…楽しいドラマにはなっていたはずなんだけど、きっとそれだけじゃ、「今なぜ?」の答えは出せなかったと思う…んです。

だけど、だからこそ、社会に投げかけるもの、強く訴えかけるものを、この終盤に、テレビドラマの中に今、刻んでみせた…。そのために、今回の、このエピソードが、必要だった…っていう。もう、ほんとに、なんだかうまく表現はできないんだけれど、この、“すごさ”、恐るべし、ですよ…。

うん、で、もう来週は最終回…。ずっとまだまだ見ていたい!んだけど、どんな形で、どんな物語で、僕らを満足させる、終わりを見せてくれるのか…そして笑わせてくれるのか、楽しみでしかない!!