歌の披露は「正直不安だった」

──劇中では前園ケイジとして、歌も披露していますね。

歌に関しては、ラップは日頃のアーティスト活動のなかでやっていたのですが、ちゃんと歌の練習をしたことがなかったので、「どこまで(レベルを)持っていけるのかな」と、正直不安な部分もありました。

ただ、いいきっかけになるなと思いましたし、一つの挑戦としてやる価値があるなと思ったので、ボイストレーニングにも通って、臨ませていただきました。

今回のドラマに出てくる楽曲は、プロフェッショナルなチームが制作しているので、GENERATIONSでも使いたくなるくらいかっこいい曲がいっぱいあって(笑)。僕自身、ケイジとして劇中で歌わせていただくことで、新しい可能性を引き出してもらっているなと感じています。

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──ケイジは、歌、踊り、作詞、作曲、振り付けまでこなすスーパーアーティスト。演じるうで意識したこと、工夫したことはありますか?

自分なりに解釈して、「こんなふうに演じてみよう」という考えを現場に持っていっていましたが、監督とお話するなかで「こうしてみたらどうですか?」「こういうふうにやってもらえませんか?」というオーダーは常に出ていました。

そういう監督の話があると、自分の中でもキャラクターが明確になっていく部分もあったので、意識したことというと、監督やスタッフの皆さんの話を聞いて一緒に作っていくことですね。

──ケイジは、英子、BBラウンジに嫌がらせのようなことをしていますが、彼の軸には何があると思いますか?

根っからの悪人かと言うとそういうことではないと思っていて。すごく純粋で、エンタテインメントが大好きであるが故に、それがねじ曲がってしまったところがあると思うんです。

そのエンタテインメントに対する純粋さや、エンタテインメントが好きだという部分に関しては僕と同じ。しかも、ケイジと同じように負けたくないとか、一番になりたいとか、そういう気持ちは僕にもあるので、近しい部分のあるキャラクターなのかなと思います。僕の黒い部分を思いっきり引き出したらケイジになるのかな、と。

──演じていて苦労したことはありますか?

歌って踊れるスーパーアーティストの役なので、歌の練習も、ダンスの練習もしました。でも、僕自身、ずっとパフォーマーとして舞台に立ってきた人として、「舞台の上では何かしていなきゃ」という勝手な思い込みがあって。

たぶん、スーパーアーティストは舞台の上に立っているだけでもスーパーアーティストなんですよね。僕には“ただ立つ”とか“間を使う”とか、マイケル・ジャクソンのように何も言わずに仁王立ちするということができなくて。「何かをしなきゃ」とどうしても思って、振り付けを“踊りすぎ”てしまうんです。

それに対して、振り付けを担当している辻本(知彦)さんから「今の踊りだとスーパーアーティストっぽくなくて、ダンサーのようだから、いろいろ試してみよう」と指導していただいて、アプローチを変えていきました。

歌って踊れるスーパーアーティストが“踊る”ときに意識する根源は何かといえば、自分の歌を人に伝えることであり、同時に自分のテンションをあげるためでもあるというんです。

でも、一般的なダンサーには、そういう感覚はなくて、目の前の人を楽しませるとか、そういうベクトルで踊っていて。その根源の違いを、辻本さんから教えていただきました。

今まで自分がやってきたことをアンインストールしなければいけなかったので、全否定されたような気持ちにもなりましたし、異物を飲み込んでいる感覚で、気持ちが乱れそうにもなったので大変でしたね。でも、それを飲み込んで頑張ったからこそ見える景色が変わったので、辻本さんには感謝しています。