『この素晴らしき世界』第7話完全版
失踪していた女優・若菜絹代(若村麻由美)が夫・水田夏雄(沢村一樹)のもとへ戻ってきた。
若菜は、拒否したはずの謝罪会見が行われていたことに不満を抱き、自身になりすましている浜岡妙子(若村:二役)のことを「あの女は誰?」と問い詰める。
夏雄は「会見は事務所から言われて仕方なく同席した」と弁明。同時に、若菜が外出することで万が一妙子と鉢合わせでもしたら大変なことになる、と心配するが、若菜はすでに芸能界のドン・國東統次郎(堺正章)と会っていたようで…。
別の日、若菜に扮した妙子と夏雄が「プロダクション曼珠沙華」に行くと、元社員・櫻井佳音(葉月ひとみ)の弁護士・浅野俊徳(佐戸井けん太)と出会う。
その後、社長・比嘉莉湖(木村佳乃)から浅野が櫻井の件の示談金として2億円を要求してきたと聞いた妙子は、帝都テレビのディレクター、沖野島紀明(吉田宗洋)のセクハラの証拠を押さえて世の中に訴えるべきだと言う。
だが、若菜の付き人・室井セシル(円井わん)は、業界の習慣に馴染まないと猛反対した。
そんななか、パート仲間・育田詩乃(平祐奈)に沖野島の元へ潜入し、身辺を調べるよう勝手に依頼する妙子。育田は無事にテレビ局に潜り込むが、局内でセシルに見つかってしまった。
セシルから厳しく注意された妙子は、育田に調査の中止を告げた。だが育田は、放っておいてはダメだと自らの意思で続行する。
そんな折、妙子は街中でパート仲間の真由美(猫背椿)と彼女の夫に出会う。なんと真由美の夫は弁護士の浅野だった。
妙子が先日会った若菜と同じ左手薬指に絆創膏を貼っていることに気づく浅野。浅野の様子から正体がバレたのではないかと危惧する妙子は、夏雄に相談を持ちかける。
妙子の息子・あきら(中川大輔)は、蒼井蛍(永瀬莉子)の紹介で手伝った木村という男の仕事で、詐欺の片棒を担いでしまったことを知った。あきらたちは、蛍の仲間でもある江口晴恵(八重澤ひとみ)に相談するが…。
浅野は、妙子を呼び出し、なりすましのことを見逃す代わりに櫻井の件で協力してほしいと要求。すると妙子は、夏雄の協力でつかんだ浅野と浮気相手の写真を見せて対抗する。
「この件はお互いにドローということでどうですか?奥様のことをもう少し尊重してあげてくださいね」。妙子は浅野にそう告げた。
裁判のことだけでなく、事務所のことを真剣に考えてくれている妙子にも申し訳ないと悩んでいた莉湖は、夏雄に相談を持ちかける。すると夏雄は、妙子は強い人だから、もう少し一緒に答えを探してみてはどうか、と助言。
決意を固めた莉湖は、櫻井に会って直接話を聞くことに。櫻井は、莉湖たちが沖野島の犯罪を知りながら隠していると思い、会社に対して絶望していたのだという。
莉湖は、妙子やセシル、マネージャー・西條隼人(時任勇気)に櫻井と会ったことを報告。沖野島の犯罪とは、6年前、アイドルグループのメンバーがドラッグパーティで死亡した事件のことだった。
その事件は、プロダクション内の不祥事として片付けられているが、実は沖野島が死亡したメンバーに無理やり薬を飲ませていたのだ。櫻井は、酒に酔った沖野島から直接その話を聞いたという。
沖野島の父親は帝都テレビに影響力がある旅行会社の会長で、莉湖の父親とは親友同士だったことから、莉湖の父親が國東に頼んで事件をもみ消してもらっていた。
莉湖の話を聞いたセシルは、この問題が大きくなれば会社もただでは済まない、と主張。一方、西條は、沖野島のことは警察に伝えるべきだと返し…。
その夜、あきらは蛍を家に連れて帰り、妙子と夫・陽一(マキタスポーツ)に紹介。蛍が複数の会社を経営している起業家だと知って驚く妙子たち。するとそこに、警察が訪ねてくる。詐欺事件に関して、話を聞きたいのだという。
警察は、蛍が来ていることもつかんでいた。あきらは、突然のことに驚く妙子と陽一に、会社を辞めて蛍の仕事を手伝っていたこと、それが詐欺師のような人物に利用されて巻き込まれてしまったことだけ伝えると、蛍とともに警察署に向かった。
陽一は、あきらのことを何も気づいていなかった妙子を非難。妙子と夏雄の浮気疑惑についても持ち出して妙子を責め、「出て行け!」と怒鳴る陽一。妙子は、涙をこらえ、荷物をまとめて家を出る。
同じころ、育田は沖野島たちと飲んでいた。沖野島と2人きりになった育田は、寝たふりをして隙を作り、彼がカバンから取り出した薬を水に混ぜるのを確認。沖野島が会計を済ませている間に、彼のカバンを奪ってその場から逃げ出した。
育田は妙子に連絡するがつながらない。セシルを呼び出した育田は、証拠となるカバンを彼女に手渡し…。