大学で、震災や防災に取り組むゼミに所属した髙橋さん。
すると、色々な被災地に足を運んで話を聞き、自分の震災の経験も話す中で、髙橋さんの心に、少しずつ変化が起きたといいます。

髙橋輝良々さん:
せっかく守ってもらって生きているからこそ、あの日を経験して次の災害で子供たちを守れなかったら、たくさんの人たちの命の犠牲があって残ってきたこの教訓を無駄にしちゃうなって。自分はそういう人間になりたくない、という思いがありました。

語り部、そして先生へ…夢を誓い合った親友へ贈る手紙

そんな経験を経て、いま髙橋さんは母校・門脇小学校で、“語り部”の活動を続けています。

髙橋輝良々さん:
語り部をして、初めて門脇小学校に来てくれる人もいるし、当時の在校生も来てくれたりします。
その人たちとお話をして自分が新しく思い出すこともあるし、「あのときこうだったのかな」と、人の思いや自分の気持ちを考えるきっかけにもなったりして、いまは語り部をやれて良かったなと、すごく思っています。

そして4月からはついに、亡き親友と交わした約束を果たし、小学校の先生となります。

髙橋輝良々さん:
自分の命もそうだし、自分が守りたいと思った人たちの命を大切にできる子どもを育てたい、という思いが、すごくあります。
防災って「誰かを大切にしたい」という思いやりからできていくのかな、と最近感じるようになって。
なので、災害のときだけじゃなくて、(普段から)友達や家族を大事にする、思いやりを持つという日常の中の大切さに気づける。まずそういう姿を子どもたちに見せられる教員でいたいなと思います。

決意に満ちた表情で理想の先生像を語る髙橋さんには、震災が起きてから15年間続けてきたことがあります。
それは、親友に向けて毎年1通、手紙を書くこと。

髙橋輝良々さん:手紙って渡したら自分の元から消えるのに、手元に残ってるのがすごく嫌で。当時、人は亡くなったら星になるっていうのを自分の中で信じていて。だから手紙も煙になれば星まで届くかなっていう思いで、毎年捨てていたんです。

しかし、母校の当時の校長先生からの「命を大切さを伝える教材になる」という一声で、以前は捨てていた手紙も2年前から保存するようになったといいます。

今年で、震災から15年。
春から先生になる髙橋さんは、今年も手紙を書きました。
ともに先生になる夢を誓い合った親友へ、贈る手紙。
便せん3枚にわたるその内容を見せてくれました。
 

4月、もうすぐ本当に先生になって初めての子供たちと出会います。とてもとても楽しみだよ。
私が門小で(親友)と大切な思い出ができたように、子供たちも小学校で忘れられない温かい思い出や瞬間に出会えるといいな。そのために私にできることを迷いながらでも精一杯がんばるよ!!見守っていてくれたらとてもうれしいです。

最後に私にがんばることのできる理由やすてきな人たちとの出会いをくれて本当にありがとう。
ずっとずっと友達でいようね。また来年、子供たちとの楽しい話を伝えられるように、小学校の先生がんばります!!

【髙橋さんが親友へ書いた手紙(一部抜粋)】