感情を抑え、涙に耐え「一歩引くことを意識して」

――前作から約9ヵ月ぶりにマーヤさん一家を見て、どんなことを感じましたか?

(2022年5月放送の)続編があるというのが、いいのか悪いのか、複雑な思いになりました。現在のみなさんの姿を見られるのはうれしいけど、見られないほうがよかったなっていうのをすごく感じました。

家族はみんな仲良しで一緒にいたいと思っているけど、(ウクライナへ戻れるようになり)家族一緒にいないことを願っているというのが、複雑ですよね。

(日本で)家族が一緒にいるのは、幸せな世界ではないから…。すごく考えさせられました。

――ナレーションに入る前から(泣かずに読めるか)自信がない、と話していました。心を動かされたのはどんな場面ですか?

前編の(アナスタシアさんと和真さんの)結婚披露宴からダメでした。幸せなことの裏で大変なことが起きているというのがわかっているから100%喜べないですし、複雑な感情が入り混じってしまって、見ていて苦しかったです。

とにかく、みなさん笑顔が素敵なご家族なので、早く心からの笑顔を見たいと思いながら、映像を見ていました。

――そんな中でも、前向きなシーンでは芳根さんの明るい声も聞かれました。どんなことを意識して読みましたか?

事前に映像を見ていたのですが、いつもよりも“引く”ことを意識していました。でも、みなさんが喜んでいると一緒にうれしくなるし、悲しんでいると悲しくなるし、感情が出ることはありましたが、それでも「一歩引いた目線で」ということだけ考えてやらせていただきました。

――今回、気づいたこと、知ったことはありますか?

日本に対して前向きな気持ちが芽生えていることが救いかな、と思いました。前作よりも、希望を感じられる部分がありました。状況は変わっていないけど、それでもこの家族は前を向いて進もうとしている。その姿が見られたのは、本当によかったです。

子どもたちが日本語を話せるようになっていたのも、うれしいことでした。(1年前、来日した際は)“旅行気分”だった子どもたちが、今では、あの年でもしっかり現実を受け止めて前に進もうとしているのは、見ていてとても苦しかったですが、ポジティブに考えられることもあると思います。

<ナレーションの一部を先取り紹介>

<予告動画>

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2月26日(日)14時~ 「たどりついた家族2 前編 ~戦火の故郷と母の涙~」予告