<佐野亜裕美(プロデュース)コメント>
「飲み会の場で、政治と宗教の話はしないようにね」。新入社員のときに、上司にそう言われたことを今でも覚えています。それが当たり前だとずっと思っていました。
そうではないと知るのは、2019年末のこと。当時ホームステイをしていたアメリカ・ロサンゼルスの家では、母親と中学生の子どもが、トランプ大統領の演説を見ながら議論を交わしていました。
「アメリカでは、子どもとも政治の話をするんですね」と言った私のことを、彼女は驚いた顔で見つめて「政治は生活だよ」と言いました。政治は生活。正直そんなふうに考えたことがありませんでした。政治や選挙というものに改めて興味を持ちました。
いろいろなご縁があって、同じように政治や選挙に興味を持っていた山田由梨さんとともに、さまざまな政治家・政治関係者に取材を重ね、政治の複雑さや面白さ、人間臭さ、そして希望に触れました。そうやって企画の種を集めて、これを誰に脚本にしてもらったらいいだろう、と考えたときに、いつかご一緒したいと思っていた蛭田直美さんのことが一番に頭に浮かびました。
政治が私たちの暮らしの中にあるものだということを大事にしたいと思ったのと、政治や選挙を扱うドラマであるのと同時に人間讃歌のドラマにしたいと思ったからです。
日々たくさんの言葉を交わし、たくさんの資料を読み、学び、ときにぶつかり合いながら、蛭田さんは私の想像よりずっとずっと大きな愛と希望に溢(あふ)れた脚本にしてくださいました。
そして、政治や選挙という、ある意味ではハードルの高い企画で一緒に戦うことを決めてくださったのが黒木華さん、野呂佳代さん。蛭田さんがお2人をイメージして書いてくださった茉莉とあかりは、もうお2人以外考えられないですし、撮影現場での素晴らしいコンビネーションにすでに胸を震わせています。
自分たちの力で政治を、社会を変えることができると信じられること。おこがましいですがこのドラマの放送後に投票率を0.1%でも上げることを目標に掲げて、新しい「選挙エンタテインメント」にするべく、とっても頼もしいスタッフ・キャストとともに、最後まで走り抜けたいと思います。
