<蛭田直美(脚本)コメント>
佐野さんからこの企画のお話をいただいたとき、最初に浮かんだイメージは、不安感を煽(あお)る重低音のBGMのなか、高級スーツのおじさんたちが高級料亭(漠然としたイメージ)で難しい言葉で難しい話(たぶん、何かしら悪いこと?)をしているなか、スッパーン!と障子が開け放たれ、スーツの女性2人が華麗に登場して何か難しいことを言い放ち、次週へ続く!みたいな…でも、何がどう続くのかまったく想像できない…。
「あの、せっかくですが、うれしいですが、私じゃない方の方が…○○さんとか○○さん(社会派のかっこいい脚本を書かれる方々)とか…」と、尻尾を巻いてじりじり後ずさりする私に、佐野さんは、その後、ことあるごとに繰り返してくれるその言葉を、それこそ私の心の障子をスッパーン!と開け放つがごとく言ってくれました。
「蛭田さんです。蛭田さんに書いてほしいんです」
えーそんな、うれしすぎる…。が、頑張ってみようかな…と、その言葉が灯してくれた光を支えに、道しるべに、佐野さんと2人、話して話して話して、たくさんの方に話を聴かせていただいて、調べて学んで考えて、七転八倒泣いて笑ってケンカして…の旅が始まりました。
隙あらば面倒くさいことを言い出す情緒不安定な私の手を、絶対に離さず、逃がさず(笑)、どんなときもとことん寄り添ってくれる、愛してやまない佐野さんと一歩一歩進むごとに、一人、また一人と、びっくりするくらい最高な方々が次々仲間になってくださって、そのたび「やったー」と喜び合い、また一歩進む勇気をもらって「ああそうか、これを書けばいいんだ」と気づき、書きました(今もまだ書いています…)。
私の、私たちの一番の「やったー」は、あなたに楽しんでいただけることです。
信じていたものが信じられなくなったり、当たり前にあったものがふいに、または少しずつなくなってしまったり、つながりすぎてたりつながってなかったり、多すぎたり少なすぎたり、終わってくれなかったり始まってくれなかったり、変わってほしくなかったものが変わってしまい、変わってほしいものは変わってくれない、ままならなくて不安で不安定でこんなに広くて寂しい世界の中で、それでもなんとか明るい方へ向かおうとしているあなたへ、せめて「一週間の楽しみ」を届けることができたら、本当に本当に、最高に幸せです。どうか届きますように。
