パートナー役では初共演となる橋本さんと瀬戸さんに、お互いの印象を聞いてみると、意外(?)な素顔が見えてきました。瀬戸さんが橋本さんを「まさに、あっちゃん」と思った理由とは…?

 瀬戸康史「橋本さんは愛らしくて、よく笑うしよく食べる」

――お互いが演じる、あっちゃん、晃平の印象を教えてください。

橋本:晃平は、あっちゃんに対して信頼を裏切るようなことをしてしまいますが、それでも憎めなくて、愛らしくて信頼できる人。瀬戸さんが演じるからこそ、「愛すべき人で、簡単には離れられない」という晃平への説得力がすごく出ているので、晃平が瀬戸さんでありがたいなと思いました。だって、あんなことをしておいてキラキラした笑顔を見せるなんて(笑)。憎めなくて癒されちゃうので、嫌いになりたくてもなれない。あっちゃんの気持ちにとても共感してしまいます。

瀬戸:橋本さんは、「まさにあっちゃんだな」という印象です。愛らしくて、よく笑うしよく食べる。このドラマにはいろいろな料理が登場するのですが、どれもとても美味しいんです。この間、イカ墨の料理が出てきて、次の撮影もあるので残ったものを食べずにいたら、橋本さんがこっそり食べていました(笑)。

――パートナー役では初共演とのことですが、改めてお互いの印象を教えてください。

瀬戸:波長が合うというか、お芝居がとてもやりやすいです。脚本に書かれていない“隙間”を演じるのは、俳優として試されている感じがして好きなのですが、橋本さんもそういう隙間をちゃんと埋める俳優さんだなと思いました。

橋本:ありがとうございます。撮影とは関係ありませんが、瀬戸さんはよく鼻歌を歌っていらっしゃる印象です。私は頑張って鼻歌を我慢しているので、同じ星のもとの方だなと、勝手に親近感を持っています(笑)。

C)渡辺ペコ/講談社/フジテレビ

――日々の食卓を彩る料理をはじめ、生活感にとてもリアリティがあります。ドラマで日常を丁寧に描くことに対してどう思いますか?

橋本:いわゆる“家父長制的”に映りたくないのですが、あっちゃんは日々のご飯を作ることを心から楽しんでいて、「食べるために生きる」という人間の原点みたいなところにいる人。そういう強さに、憧れと尊敬を抱きますし、ご飯が美味しく見えるべきドラマだと思うので、とても丁寧に作られた美味しいご飯が並んでいるのはありがたいです。

瀬戸:日常を描くということはすごく難しいと改めて感じています。お箸を手に取る、冷蔵庫からお茶を出す、という何気ない動作の1つひとつが「いつもの暮らし」になっていないといけない。ちょっとした動作も「丁寧に」と、頭の中に置いて演じています。

(C)渡辺ペコ/講談社/フジテレビ

――最後に、この作品をどういう人に見てほしいですか?

橋本:人に話しても理解されない感情を持っている人、「普通はこう思うよね」と言われた時に「自分がおかしいのかな」と思った経験がある人は実は少なくないと思っています。あっちゃんは、恋愛に対して「何が恋で、何が愛なのか」ということが分からなくなっている人です。「こういう感じ方をする人もいる」と、この作品を通して感じてもらえたら嬉しいです。

瀬戸:人生の選択に悩んでいる人に、この作品に出てくる人たちを見てほしいです。みんな悩みながらも、大きな1歩ではないかもしれないけど、少しずつ前に進んでいる人たちです。いま抱えている問題を「立ち行かないから諦めそう」とか、「これは乗り越えられないかも」と思っている人に、少しでも勇気を与えられる作品になればと思っています。

撮影:河井彩美