久保史緒里 スピーチ全文
今日、乃木坂46を卒業します。
まずは横浜アリーナにお集まりいただいた皆さん、そして配信をご覧いただいている皆さん、本当にありがとうございました。
思えば、私が乃木坂46に出会ったのは10年以上も前のことで、きっと母はずっと乃木坂のことを語る私を横で見ていて、「あぁ、いつまでこの話してるんだろう」って思っていたと思います。それでも、私の家族は、私の好きなことをいつも否定しないでいてくれて、「史緒里のやりたいことをやりなさい」と言ってくれていました。
そんな家族のおかげで、私は9年間、自分の好きな乃木坂を生きるという道を選びました。
家族にもたくさん支えられましたし、いつでも帰る場所があるということは本当に心強いことで、宮城県に行けば大好きな家族がいてくれて、だけど東京でもたくさん大切な人たちに支えられて、今日を迎えることができました。
日頃、私たちのことを支えてくださるマネージャーさんや、こうやってこの場を設けてくださる色んなことを一緒に考えてくださるライブチームの皆さん、この光景を見ていて、夢なんじゃないかなって、私はこの景色をもう見ることが出来ないんだなと思うと、寂しさと同時に忘れちゃいけないな、きっと一生忘れることはないんだろうなと思います。
色んなことがあった9年間でした。
きっと皆さんも、なんかどこかに消えちゃうじゃないかなと思う日もあったと思います。
だけど9年間、9年かけて先輩や周りの方のおかげで、ちょっとだけ強くなれたんじゃないかなって思います。
いつからか後輩の方が多くなって、頼もしい後輩の背中を見て、私がこんなんじゃいけないなと思って、もっと頑張らないとって思わされる。そんな存在がたくさん増えました。
ここ最近、あんまり自分が卒業する実感がずっとなくて、メンバーも周りのマネージャーさんやスタッフさんも、あとはファンの皆さんも「本当に卒業するの?」って言ってくださって。
それは凄く嬉しいことだったんですけど、その分、今日1日ですごく実感してしまいました。
だけど、私に今もう1つ実感した出来事があって、今年も乃木坂46は年末に紅白歌合戦への出場が決まりましたね。凄く嬉しい出来事でした。
それをある日、みんなと一緒に聞いた日がありました。「今年も紅白歌合戦への出場が決まりました!」。
横を見たら、同期も後輩も泣いていて、私も泣きそうになったんだけど、今年の年末、みんなと過ごせないんだなと思ったら、みんながキャプテンに抱きつきにいく姿を遠くから見守ることしか出来なくて。
そんなみんなの様子を動画におさめながら、「見ててね」ってみんなが言ってくれて。「コタツの中で見てるよ」とかそんなことを言ってみたけど、1人家に帰ってみると、自分で選択したはずなのに、やっぱり寂しいなって。みんなとまだまだ一緒にいたいなって。
今日もステージに立ちながら、この時間が永遠に続けばいいのにってずっと思っていました。
みんなといる時間が長ければ長いほど、みんなへの愛が増していくそんなグループが、私は加入前から、そして加入してからも、そして卒業してからも、ずっとずっと大好きです。
そして、いつも応援してくださる皆さん。本当に私は素直じゃないし、お喋りなくせに口下手だし、なかなか思いを伝えるのも上手じゃないし、受け取るのも難しかったと思います。
今日のライブだって、MCをいま初めて喋ったくらい無くして、ただただ私の大好きなライブで、パフォーマンスで思いを届けたいなって、私の好きなようにやらせてもらっちゃいました。
それでも、卒業を聞いてから皆さんに言われた言葉が本当に心に残っていて。
「乃木坂になってくれてありがとう」って言ってもらえて、私はただただ乃木坂46が大好きで、夢のような時間を過ごしていただけなのに、感謝される日が来るなんて思ってもいませんでした。
こちらこそ、乃木坂46にしてくださり、乃木坂46の久保史緒里を愛してくださり、本当にありがとうございました。決して、近道ではない乃木坂人生でしたが、悔いなく笑顔で卒業することができそうです。
私の乃木坂人生を最後に、ソロ曲という形で、秋元先生に書いていただきました。
今日は、皆さんへの感謝と、大好きなメンバーにちゃんとお別れできるように、この歌を歌わせてください。
