久保史緒里の両親からの手紙 全文

父親からの手紙:松本潤さん代読
母親かの手紙:有村架純さん代読

史緒里へ。

史緒里、9年間、お疲れ様でした。小さい頃から泣き虫で心配になるくらいの人見知り。
「大人になっても、お母さんのそばにずっといるね」と言っていたあなたが、15歳で家族と離れてしまうとは思っていませんでした。


思い起こすと、9年前の9月4日の朝、お母さんから「今日、乃木坂の最終オーディションがあるので東京に行きます」と突然言われました。あまりにも急な話だったので、その日は仕事が手につかなかったことをよく覚えています。

オーディション会場に向かう姿を見送りながら「落ちてしまったら、なんて言葉をかけて励ませばよいか?」を考えながら待っていたことを思い出します。
最終オーディションが終わった時、「合格したよ」と嬉しそうな声で連絡が来たときは、本当に嬉しかったです。大好きな乃木坂46のメンバーになれてよかったね。

あなたは中学校の卒業式のことを覚えていますか?

卒業証書を受け取るために、あなたはステージ前まで進み、お世話になった先生方にお辞儀をしたのですが、それは乃木坂の皆さんがするように両手を前に揃えて、深く頭を下げるものでした。
その姿を見て、「ああ、この子は私の手元から巣立ったのだな」と思い、何とも言えない寂しい気持ちになりました。


東京の生活にも少し慣れた頃かなと思っていた時、「お仕事を休みすることにしたよ」活動休止することを聞いて、少し驚きました。
もっと連絡すれば良かった。たくさん会いに行って、支えることが出来たのではないか?と後悔するばかりでした。
何も出来なくてごめんなさい。その時の史緒里はとても不安だったと思います。
少しずつ活動できるようになり、会うたびに気持ちをしっかり持ち、強くなっているように思いました。
復帰してからのライブを観に行って、本当に楽しそうに大好きなメンバーの皆さんとパフォーマンスをしている姿を見て、もう大丈夫と思いました。

あれから9年、あなたは周囲の人や環境に恵まれ、乃木坂の活動に加えて、大河ドラマや映画などに出演することができました。
また、大好きな宮城についても、様々な情報を発信してくれました。そんなあなたの姿を見るにつけ、父親として少し気恥ずかしさもありましたが、約束した「仕事を楽しむ」ことを実践してくれている、あなたを誇りにも思っていました。
とうとうその乃木坂を卒業する日が来ました。9年間過ごしてきた世界から新しい世界に踏み出すことは、とても勇気のいることですが、より大きく成長するためには必要なこと。
新しい活動が始まっても、与えられた仕事に取り組む時、あなたらしさを失わず、真摯に向き合い、楽しんでください。

今回、この手紙を書く機会をいただきましたので、長い間どうしても申し上げたかったことを書かせていただきます。

15歳からここまで活動できたのは、乃木坂46スタッフの皆様。先輩メンバーの皆さん、たくさんのお仕事で関わってくださった皆様。そして、なにより、どんな時でも温かい声援を送り続けていただいたファンの皆さま、本当にありがとうございました。そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

最後に、史緒里。

「卒業したらゆっくり休んで…」と言いたいところですが、史緒里からおしゃべりも、お仕事も止めてしまうときっと苦しくなると思うので、無理をせず、疲れたらいつでも帰ってきてください。いつでも待ってます。

いつも感謝の心を忘れず、あなたらしさを失わず、自分で決めた道を迷わず進んでください。
あなたの決めた道こそが正解なのですから。

9年間頑張りましたね。卒業おめでとう。