東京・日本橋で開催中の「視える人には見える展-零(ゼロ)-」で、風景写真に写り込んだ数々の霊たちを見て、ほんの少し心と体をヒヤッとさせた筆者。
続いては、没入感が味わえる新エリアを体験していきます。
シークエンスはやともが「ダントツで気持ち悪くなった」撮影場所「再現部屋」エリア
「前回と今回のロケ撮影でダントツで気持ち悪くなった場所があります」と明かしていたシークエンスはやともさん。霊能者だけでなくカメラマン含めて全員が気持ち悪くなったという、とある建物の101号室を、立体的に再現してしまいました…。

「再現部屋」エリアへと入ると、そこには、壁紙が剥がれていたり、障子に穴が開いていたりする薄暗い古びた和室が…。
現場で遭遇した霊は、黄色の針金で作られた立体人形で再現されています。今まさにその場で霊と遭遇しているかのような感覚になり、あまり長くは滞在したくありません…。

天井には、じわぁと黒い汚れのようなものが広がっていて、上の階で何かあったのか?と思いましたが…。シークエンスはやともさんによると、実際は上階の部屋は綺麗だったといいます。

立体的に再現された霊の詳細は、近くに貼られたQRコードを読み込むことで知ることができます。
前かがみで両手をぎゅっと握りしめて立つ霊は、「引きこもりの中年男性」。
部屋の隅に立つ霊は「母親かもしれない女性」で、「中年男性」を認識している感じで、そばにいることに気づかれたくなくて暗闇に紛れるように影をまとっているのかもしれない、とのこと…。
どの霊もこんな近い距離で遭遇したら、腰を抜かしてしまいそうです。
実は筆者が撮影した写真には写っていない霊がもう1体展示されているので、ぜひ会場で探してみて下さい。
持ち主の想いや記憶が“宿る”品々を集めたギャラリー「物品庫」エリア
玉すだれがかかった、温かな光がともされた部屋に導かれるように進むと…

古そうなおもちゃやお面などが、棚にたくさん飾られています。
ここは、持ち主の想いや記憶が“宿る”品々を集めたギャラリー「物品庫」エリア。
“視える人”が骨とう市で選んできたそうで、今回は筆者が気になったアイテムを紹介します。

まず目を引かれたのは縁起物の「招き猫」。
ところどころ色が剥がれ、汚れがしみついます。
この招き猫には「こちらがじーっと目を合わせていると、ダラダラと汗を流して目線が泳ぐような弱い霊」が宿っているそうで、なんともかわいらしく、玄関に飾ってみたくなりました。

次は、かなり年季が入っていそうな「算盤(そろばん)」。
「前の所有者の男性の気が色濃く残っており、仕事道具として買い求められたもの」だったものの、「志半ばで手放されたのかなという気配」も感じられるそうで、「道具に宿る付喪神(年月をかけて意志が芽生えた自然霊・精霊)もやや寂しげに感じます」と解説されています。
もし長年使っている自分の道具に何かが宿っていたら…と思うと、手放しづらくなってしまいますね。

刻みタバコを吸うための日本の伝統的な喫煙具「煙管(きせる)」にも注目。
「呼吸に関わるものや、唾液、体液が付着する物品には霊力が宿りやすい」と言われているそうで、「趣味人で個性の強い男性」の痕跡が強く感じられるそうです。

「物品庫」エリアには、紹介しきれないほどたくさんの品々が展示されています。
説明書きがない品もあるので、一体どんなものが宿っているのか想像しながら眺めるのも楽しいポイントです。

次は、映像で“視える体験”ができる「映写室」エリアへ。黄色い特製メガネをかけて、“視える人”の視点にできる限り忠実に再現された映像を見ることになります。
実際の映像は会場に来てからのお楽しみですが…公園など見慣れた景色を歩いているかのような動画を見ていると、突如現れる霊の近さに驚くこと間違いなしです!

「映写室」エリアの後には、2つの撮影禁止エリアが続きます。
1つめは、常に変化し続ける場所「都市圏」エリア。
前回の開催時に展示された“霊が描かれた写真”に加え、新たに2ヵ所で撮影されたカットも公開されています。手をつないだ親子や首から頭がない女学生(!?)など、筆者も訪れたことがある場所で撮影された写真がありました…。

“視える人には見える存在”は、未練や強い記憶に導かれ、その“場所”にとどまり続けることがあるそう。
ビニールカーテンがおりた部屋「裏視界」エリアでは、ジャーナリストの丸山ゴンザレスさんとルポライターの村田らむさんが案内したという「普段立ち入ることのない都市の裏側」で撮影された写真を見ることができます。
報道されていない事件現場や使用禁止のコインロッカーなど、カメラに写り込んだ数々の霊たちから思わず目を背けたくなるかもしれません。
立て続けにゾワゾワした気分を味わったところで、お次はガラッと空気が変わる心地よいエリアへ…!