市村さんが歌唱を終えると、キャスト・スタッフが着席し、まずは又吉さんから「僕は1980年生まれなので、榎本健一という人のことは伝説として知っているくらいだったんですけど、脚本を執筆するにあたって、資料や映像を見ているうちに、年表だけではわからない生きざまにどんどん魅了されていきました」と説明。

脚本は又吉直樹の書き下ろし

エノケン役の市村さんは「このお話をいただいたとき、エノケンを演じるっていうのはどういうふうになるのかな。これは又吉さんのホン(脚本)次第だなと思って楽しみに待っておりました」と前置きし、「感動しました。いいホンができました。又吉さんは十分、責任を果たしたので、この後は僕らが作品を素晴らしいものにして、皆さんにお見せしたい」と意気込みました。

市村正親

松雪泰子『エノケン』出演に飛び上がって歓喜!本田響矢は「こんな幸せなことはない」

花島喜世子と榎本よしゑ役の松雪さんは、出演が決まったときに飛び上がって喜んだそうで、「又吉さんのホンをワクワクしながら読ませていただきまして、シーンがシームレスに展開していくことが本当に素敵。その中で我々がどれだけエネルギーを注げるかだと思いますので、しっかりと努めたい」とモダンな和服姿でしっとりと挨拶。

松雪泰子

榎本鍈一と田島太一を演じる本田さんは「二役をやらせていただけると聞いたとき、すごくうれしいなという気持ちが一番にありました。その理由として、父としてのエノケンさんと、大先輩のエノケンさんを二つの視点からみることができる楽しみ。そして、大先輩方と一緒にお芝居ができるってこんなにも幸せなことはありません。いろんなことを吸収していきたい」と緊張気味にコメント。

本田響矢

菊谷榮役の豊原さんは「菊谷は酒の席でエノケンと知り合い、信頼を得て座付き作家になるわけですが、その後、戦地へ向かいます。戦後80年の今年、喜劇を書くことと戦争の狭間にいる人間をどう演じようかな」と神妙な表情を浮かべ、「又吉さんが素晴らしいホンを書かれ、シライさんが演出をする。そして、皆さんとの共演。責任重大です」と難役に挑む心境を明かしました。

豊原功補

ここで司会者からサプライズ発表が。先週、東京公演の前売り券を発売したところ、早くも完売に。そこで、急きょ追加公演が行われることがアナウンスされると、市村さんは「スゴいですね!まだ、稽古していないのに」と苦笑し、「完売したと聞いて、原因は何かなと思っていろいろ探ったんです。やはり私の日頃の努力のたまものだな」とジョーク交じりでアピールしました。