舞台『大地の子』製作発表が11月27日に行われ、主演の井上芳雄さん、奈緒さん、上白石萌歌さん、山西惇さん、益岡徹さんが登壇しました。

本作は、1987年から『月刊文藝春秋』にて連載された、山崎豊子さんによる同名小説が原作。

戦争孤児となった少年が、死線をさまよう苦難を経て中国人教師に拾われ、中国人「陸一心」(ルー・イーシン)として育てられます。しかし、成人した一心を襲ったのは文化大革命に伴う大きな時代のうねりで…戦争孤児となった陸一心の波乱万丈の半生を描いた物語です。

井上芳雄「再演を重ねて、元気でいてくれたら」両親を思う

冒頭、井上さんが演出・栗山民也さんからのコメントを代読。井上さんは「今日これが一番緊張します」とはにかみ、栗山さんの言葉を読み上げました。

読み終えた井上さんは「見事なお手紙で、『大地の子』に対する思いが詰まっていると思いましたし、演劇に対する思いも描かれていてカッコいい。この場にいないのに、ズルいなって思いました。『素敵な俳優さんたちがそろった』のところは、自分では読みにくかった」と話し、笑いを誘いました。

左から)山西惇、上白石萌歌、井上芳雄、奈緒、益岡徹

また、本作のプロモーション映像も初公開。どこまでも広がる赤土の大地を、井上さんが一人歩んでいく、本作の舞台である中国を思わせるような映像です。

井上さんは「『俺、中国行ってたかな?』って思いましたが、あれ(千葉の)南房総で撮りました。半日くらいかかって『こんな時間かけて撮る必要あるかな?』って思いましたが、今見たら、行った甲斐があったなと」と満足気。

井上芳雄

そして、出演オファーを受けた際の心境について「参加できるなんて信じられない。毎週ドラマ版を家族で、リアルタイムで見ながら『こんなことがあったのか』と驚き、泣いていたので、まず両親に知らせました。両親は『上演までは元気でいなきゃね』と言っていたので、再演を重ねて元気でいてくれたら」と語りました。

奈緒

奈緒さんは、当初は出演の実感がわかなかったものの、栗山さんと話すうちに「この舞台に立てるんだなと実感がわいてきた」そう。

上白石さんは栗山さんを「私にとって演劇の神様というか崇めている存在」と表現。井上さんについては「姉(上白石萌音さん)とも何度もご一緒させていただいて、勝手に、親戚のお兄さんのように親しみを感じています」と語りました。

稽古中に奈緒、上演中に上白石萌歌が誕生日!井上芳雄からのお祝いは…?

奈緒さんは井上さんについて「同郷・福岡の先輩なので親近感があります」とニッコリ。井上さんも「兄妹みたいなもんですよ」と笑顔で答えました。さらに、上白石さんは鹿児島出身ということで、奈緒さんは「みんな九州なので、近い地で生まれた私たちがこういった役をやるのは奇妙な偶然」と喜びのコメントを。

上白石萌歌

本作で、奈緒さんは陸一心(井上さん)の妹・玉花を、上白石さんは一心の妻・江月梅を演じます。井上さんは「萌歌ちゃんって“妹”のイメージがあると思うので、どっちがどっちだっけ?ってなる」と笑いました。

そして上白石さんが、姉・萌音さんと井上さんとの共演に触れると、井上さんは「(役で萌音さんと)結婚したことがあります」と即答し、会場の笑いを誘いました。

上白石さんが「姉妹ともども、一番お世話になっている」と感謝を伝えると、井上さんは「12月の舞台では、萌音ちゃんと結婚する役。上白石家と井上家、前世で何かあったかな?」と、両家の縁の深さに驚きを隠せない様子。

また、本作の稽古中2月10日には奈緒さんが、上演中の2月28日には上白石さんが誕生日を迎えます。井上さんは、お祝いをするか聞かれると「稽古中のほうが(大変なので)手薄になるかもしれない」とジョークを。

井上さんの誕生日は7月6日ですが、「僕、毎年だいたい、舞台上で誕生日を迎えるんですけど、めっちゃ気疲れします。みんなに『おめでとう』って言われて、ありがたいような申し訳ないような気持ちになる」と本音をこぼして苦笑いしました。