氷川きよしさんが座長公演への意気込みを語りました。
2026年1月31日から東京・明治座で上演される『氷川きよし特別公演』は、氷川さんが3年半ぶりに挑む座長公演。第1部は2003年にリリースされた『白雲の城』をモチーフにした時代劇で、戦国の世を生きながらも戦を嫌う心優しい主人公に扮します。
第2部は、演歌を中心にポップスやロックを織り込んだ『氷川きよしコンサート2026』を上演。年明けにふさわしい華やかなステージを展開します。
めざましmediaは気合い十分の氷川さんにインタビュー。公演への意気込みや期待、お芝居に対する思いを聞きました。
氷川きよし 海外生活を経て「どうしても時代劇を演じたいと思った」
――3年半ぶりの座長公演への意気込みを聞かせてください。
2022年の座長公演『ケイト・シモンの舞踏会~時間旅行でボンジュール~』は初めての洋物で、ドレスを着たり、おばあさんの扮装をしたり、自分がもっているものを存分に生かせるお芝居をやらせていただきました。
20代から時代劇をやってきましたが、若いころはまだその良さがわからず、大人の皆さんに言われるまま、がむしゃらに演じていました。しかし、年齢を重ねるにつれて時代劇の深さに気づき、さらに、休養期間に海外で生活したことで、中にいるときは気づけなかった奥ゆかしさや着物の華やかさなど日本ならではの魅力を再認識することができました。
そんなこともあり、今回はどうしても時代劇を演じたいと思ったんです。舞台は戦国の世。時代は変わっても人の心は変わらないものだと思いますし、誰しも平和を願っている。
昨今、人を憎んで非難する風潮が見受けられますが、寛容になってお互いを受け入れることで平和な世が作られるという、老若男女、どの世代の方がご覧になっても楽しめる2026年の幕開けにふさわしい作品を目指したいと思っています。
――第1部のお芝居パートに『白雲の城』をモチーフにした物語を選んだのはなぜですか?
1年8ヵ月の休養期間を経て、復帰というとちょっと大げさですけど、活動再開後にNHKさんから『紅白歌合戦』(2024年)出場のオファーをいただき、最初に歌いたいと思ったのは、『限界突破×サバイバー』でも『きよしのズンドコ節』でも『箱根八里の半次郎』でもなく、『白雲の城』でした。
歌手であり、人間・KIINA.(活動再開後の愛称)であり、そして、“チーム氷川きよし”の一員としてビシッと袴を着て、朗々と『白雲の城』を歌いたいと思ったんです。
その時代の人になりきって凛々しく歌わなければいけないという、プロ魂を搔き立てられる曲なので、あえて今回のテーマにさせていただきました。
時代はうつり変わっても、家族を亡くしたらつらいし、最愛の人を失ったらものすごく苦しい。だけど、その中で人それぞれの使命を背負いながら生きていくことの意味を歌った曲なので、すべての人に贈る物語にしたいと思っています。
――演技についてはどのような思いをもっていますか?
かつて、連続テレビ小説『まんてん』(2002~2003年/NHK)や、片平なぎささんと共演した『恋する京女将 音姫千尋の事件簿』(2003~2004年/TBS)というドラマに挑戦させていただいて、好青年の役が多かったんですけど、実はものすごく苦手な設定で。
だって、自分自身が好青年ではないから。若いときは「孫にしたいタレント」や「息子にしたいタレント」みたいなランキングによく選出されていましたけど、「実はそういうタイプじゃないんだけどな」という葛藤を抱えていました。性格的にはちょっと意地悪なおばあさんキャラなんですよ(笑)。
「自分の個性をもっと生かす役柄って何だろう」と考えていた中、前回の座長公演を観劇してくださった友近さんから「氷川くんさ、おばあさん役、すごくハマってない?憑依型だよ」って言われたんです。
自分でも確かに憑依型だなと思いました。台本がなくても「あんた、なんて名前なんだい?」なんて、言葉がどんどん出てくるんです。それって、自分の中に持っているものですからね。
いつか『意地悪ばあさん』(長谷川町子さん作のコミック)みたいな役柄を演じてみたいと思っています。あとは、『渡る世間は鬼ばかり』(1990~2011年/TBS)で赤木春恵さんが演じていらっしゃったような姑の役。自分のキャラクターにすごく向いていると思う。
もともとの個性を活かしつつ、自身とはまったく違うキャラクターになれるのがお芝居の醍醐味ですよね。とはいえ、今回は物語の主人公ですから、二枚目の部分も披露したいですし、多面性のあるお芝居をお見せできるといいなと考えています。
