第5話、解決編の完璧さたるや!!!幾重にも重なるドラマティック!!!

はい。っというわけでここまで長々と、謎解きドラマの前後編の弊害について、僕自身が鬱陶しかったわけですが、この、『噓解きレトリック』の第5話、解決編の完璧さたるや!!!

まずは、今回の事件の大きな謎「人形部屋」については、前回からかなりプンプンと匂わせていた、品子(片岡凜)が、実は双子!?からの、実は三つ子でした!!!という、超衝撃!!!だっていうのに、そんなことは当然のこと…のように早々に解決させ、じゃあ、だったら目の前にいる品子ではなく、“昨日の品子”は何処(いずこ)へ!?という、次の謎に切り替え、隠し部屋のありかを捜索し、前半一番の大盛り上がりであろう、あの場面で“昨日の品子”を左右馬(鈴鹿央士)が救出!という超ドラマティック!!(あんなに可憐な左右馬がお姫様抱っこして救出!という大興奮も多大に加味)

んでもって、そっから、事の真相を“説明”し始めるわけなんだけど、それをただの“説明”にならないように、前編である前回のラスト付近…もう残り時間数分の終了間近だっていうのに、やたらしっとりめの会話をし始めて、もう終わっちゃうよ!!第4話がもう終わっちゃうよ!!っと、その会話どころじゃなかった(僕が)、左右馬と鹿乃子(松本穂香)の、あのしっとりめの、あの会話をオーバーラップさせて、あのとき品子はそれを聞いていて、感化されて「自分が正しいと思う方に動くしかない!」という、ええ話!!にするかと見せかけて、そこから起きてしまった悲劇…という、想像していなかった前回からリンクする、悲しいドラマティック!!

うん、だけどそういえば、イネ(松浦りょう)が盗んでたっぽい人形は?ってとこに転換して(イネの殺鼠剤で“もう一人の品子”がホントに亡くなっていた…っていうのもとてつもない衝撃だったけど)、もう終わったかと思われた真相解明はまだまだ続いて、あの、絶対に何かあるに違いない!と思ってた、前回序盤にちょっとだけ説明されたイネのお兄さんが、実はひどいやつで、人形を妹に盗ませた挙句、口論の末に橋から転落させた…あれは自殺ではなく他殺だった…しかもそれを、品子は目撃していた…だから“イネは自殺”というウソを鹿乃子は見抜けていた!という、幾重にも折り重なるドラマティック!!解決編だというのに、この、めくるめくドラマティック!!!

で、とどめが、最後の最後に待ち構えていた、本来はとってつけたようなドラマでしかなくて、鬱陶しさしかないはずの(まだ言う)“事情”…綾尾家の“人形部屋”の風習が、実は品子の母・綾尾夫人自身が双子で、幼少期の暗い過去から守るために架空の風習を作り上げていた…という、その“事情”ってのがあまりに、あまりにも壮絶すぎるもんだから、全然鬱陶しくない(そらそう)、むしろ悲しい…いや、それもこれもあまりにドラマティック!!もう、何もかもが、すべてにおいてドラマティック!!!

で、で、で、何よりも、それらのドラマティック過ぎる大筋のストーリーの中に、このドラマの真髄である、“ウソを聞き分けられる”という、単純そうでありながら奥が深いその“仕組み”を改めて提示することでさらなるミステリーを生み出し(ウソだと思って発したウソしか聞き分けられない…それが一人称の呼び方のトリックに)、“ウソを知ることの痛み”をさらに深く描いてみせる(第1話から“悪いウソ”と“良いウソ”のエピソードを見せて…からの、それが良いか悪いかは状況によって変わる)…という、この、まったく単純ではない『噓解きレトリック』の世界、ですよ!!! 

最後に、個人的には、大好きな鈴木雅之監督回とあって、監督らしい左右対称=シンメトリーの画面が美しすぎて、今回はそれが美しすぎるもんだから、直線で並ぶとうしろの人が隠れてしまう…という、その映像遊びをやりたいがために出演していたといっても過言ではない、寺山(正名僕蔵)のベストアクト!!!

あとあと、このレトロポップな世界観にベストマッチだった、キュート&ツッコミ冴えまくりの雅(北乃きい)が素晴らしかった!!ですね??最終回までに、また、出てくれるかな??