──土門と高倉の役どころと、撮影前に準備したことがあれば聞かせてください。
藤木:僕が演じる土門誠は、元科捜研のエース。ある事件をきっかけに科捜研を辞めて、自分の鑑定所を立ち上げています。人に興味のないちょっと変わったキャラクターですね。
これまで鑑定人の役を演じたことがなかったのですが、いろいろな作品に出てくる職業ではありますし、理系の役をやることが多かったので専門用語もそこまで苦ではないかな、と。とにかくスタッフさんからいただいた資料や台本を読んで、『科捜研の女』(テレビ朝日)を見て、頑張ります(笑)。

白石:私は土門先生の助手を務める研究員・高倉柊子を演じます。心理学の専門家でもあるので、人の嘘を見抜くのが得意な高倉は、土門鑑定所に訪れる人にハーブ水を出して嘘を見抜こうとする変なクセがあります。
私自身も人間観察というか、人をつい見てしまうクセがあるので、その辺りも生かしながら演じていけたらと思っています。
藤木直人「ドラマならではの『最後の鑑定人』に」
──役とご自身の共通点はありますか?
藤木:自分のことはあまりわからないのですが…理系人間で物事を理屈っぽく考えてしまうところがあります。「何考えているかわからない」と周りから言われることもありますし、同じ理系人間として似ているのかもしれないですね。
白石:高倉は心理学の専門家ですが、私自身「この人はこういう考えだから、こういう返事をするんだ」と人が考えていることを想像するのが好きなので、そこは似ている部分かなと思っています。

──お2人のなかで、どんなバディになっていきそうか、想像していることがあれば聞かせてください。
藤木:まだ見えない部分は多いですが、土門と高倉の“噛み合っていない具合”がこのドラマの肝になると思うので、そこは白石さんと現場で楽しく探っていけたらと思っています。
白石:おそらく、どちらかと言うと高倉に視聴者の方は共感してもらえるのではと思うので、土門先生との掛け合いのなかでも高倉に共感してもらえるように頑張ります。

──さまざまなミステリー作品があるなかで、『最後の鑑定人』ならではだと思うポイントはありますか?
藤木:原作は、最終的に追い詰められた犯人が独白をする構成になっているんですよね。それに土門はあまり出てこないですし、感情も出さないキャラクターで。「どうやって映像化するんだろう」と思っていました。

でも、実際に台本を読んでみると土門が割と感情を表すキャラクターになっていて、高倉ともしっかり関わっていて、原作とは違ったエンターテインメントになると感じたんです。
原作の岩井圭也先生も台本を読んで「面白かった」と言ってくださっているそうで。ドラマ化した『最後の鑑定人』ならではのものにしたいと思います。
白石:本当におっしゃる通りで、原作をもとにしながら、ドラマならではのオリジナル要素が追加されていて、キャラクター一人ひとりのストーリーがより詳しく描かれています。まだ撮影も始まったばかりなのでわからないことも多いですが、面白いことは間違いないと思います。

撮影:今井裕治