<宮田輝美(プロデューサー)コメント>
想定を超えてしまった。8年間の取材をまとめ、冤罪で家族が引き裂かれることの理不尽さと、再び結ばれた家族の愛を描くのだと思っていた。有罪率99.8%の刑事裁判で異例尽くしの無罪の山を総括する必要もあった。
しかし、振り返るだけでは気が済まなかったのか…上田は無謀にも飛び込んだ。懲役12年の独房から無実を叫ぶ最難関事件の只中へ。
どこに向かうつもりなのか?
迷宮を掻き分け辿り着いた先は、出口ではなく、入口だった。
宮田輝美(みやた・てるみ)プロデューサー プロフィル

1967年愛知県生まれ。東京大学教養学部卒業。1990年関西テレビ入社、報道局配属。主にドキュメンタリー番組や報道トーク番組を担当。ディレクター作品として、『偽り~日系の名に揺れたペルー人~』(1992年/日本民間放送連盟賞優秀)、『忘れられた精神病棟~大和川病院が消えた日~』(1997年/日本民間放送連盟賞優秀・FNSドキュメンタリー大賞準大賞ほか)、『皷の響き〜『怒』という名の打ち手たち〜』(1999年/放送ウーマン賞ほか)。
2000年に出産に伴い異動、さまざまな部署を遍歴したのち、2014年報道局復帰。2017年ドキュメンタリー班配属となり、ディレクター作品として、『夢への扉『課題研究』~先生を越えて進め~』(2017年/日本民間放送連盟賞優秀・FNSドキュメンタリー大賞優秀賞ほか)、『マリアとフクシマ』(2018年/日本民間放送連盟賞優秀ほか)、『ファミリー~2人のママがいる~』(2018年/日本民間放送連盟賞優秀・ギャラクシー賞奨励賞ほか)、『学校の正解~コロナに揺れた教師の夏~』(2020年/日本民間放送連盟賞優秀ほか)、『となりのミライジン』(2021年/坂田記念ジャーナリズム賞)、『もやい 福島に吹く風』(2022年/ギャラクシー賞奨励賞・USインターナショナルアワード銀賞ほか)。
2023年からはプロデュース専従となり、『引き裂かれる家族』『逆転裁判官の真意』『さまよう信念』などを制作。趣味は、畑作造園。