<上田大輔監督 コメント>

記者に転身した1年目に「揺さぶられっ子症候群(SBS)」事件の取材を始め、虐待をなくす正義と冤罪をなくす正義の衝突を8年にわたり追い続けてきました。

「“犯人”と疑われている人をどこまで信用していいのか?」

「“冤罪”を前提にした発言は、記者としての一線を越えていないか?」

私の中で記者の正義と弁護士の正義がぶつかることもありました。この映画は、記者として、弁護士として、そして一人の弱い人間として悩み続けた私の8年間の記録です。

上田大輔(うえだ・だいすけ)監督 プロフィル

1978年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部、北海道大学法科大学院卒業。2007年司法試験合格。2009年関西テレビ入社、社内弁護士として法務担当。2016年に報道局へ異動し記者に。大阪府政キャップ・司法キャップ等を経て現在『ザ・ドキュメント』ディレクター。

ディレクター作品として、検証・揺さぶられっ子症候群シリーズ『ふたつの正義』(2018年/日本民間放送連盟賞優秀・FNSドキュメンタリー大賞特別賞)、『裁かれる正義』(2019、2020年/日本医学ジャーナリスト協会賞優秀賞・坂田記念ジャーナリズム賞・文化庁芸術祭賞優秀賞ほか)、『引き裂かれる家族』(2023年/座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル大賞・日本民間放送連盟賞優秀・ベネチアテレビ賞入賞ほか)に続き、『逆転裁判官の真意』(2023年/地方の時代映像祭優秀賞・FNSドキュメンタリー大賞特別賞)、『さまよう信念 情報源は見殺しにされた』2024年/芸術選奨文部科学大臣新人賞・坂田記念ジャーナリズム賞・ギャラクシー賞奨励賞)など。

揺さぶられっ子症候群(SBS)取材で日本民間放送連盟賞最優秀・ギャラクシー賞選奨、刑事司法の壁に挑んだ一連の検証報道でギャラクシー賞優秀賞を受賞。

本作『揺さぶられる正義』が初めての劇場公開作品となる。論文に「社交ダンスの振り付けの著作物性-映画『Shall we ダンス?』事件-」(月刊コピライト2012年7月号)。特技は、ホーミー。課題は、運動不足。