翌朝。無人のカフェ「ナガクラ」に帰ってきた万理子は、テーブルに千明からの手紙が置かれていることに気づく。
イスに腰かけ、緊張した表情で手紙を抱きしめて、深呼吸をする万理子。
意を決して手紙を開くと、シンプルな便せんには大きくハッキリした千明の字で、万理子への感謝が綴られていた。そして、万理子の企画書を読み、眠っていた自分の意欲が目を覚ますのを感じたとも。
「今までは仕事上の恋人だったけど…今度は溶け合いたいです。作品で一つになりたい」
読み終えた万理子は、この上ない千明からの言葉に震えながら喜びの涙を流すのだった。
和平(中井貴一)から千明(小泉今日子)や家族への報告とは
ある夜のカフェ「ナガクラ」には、長倉和平(中井貴一)に呼ばれた千明と、長女・水谷典子(飯島直子)、次女・万理子、次男・真平とその妻・知美(佐津川愛美)、そして和平の娘・えりな(白本彩奈)が集まっていた。
テーブルの上にはタコ焼き器や材料が置かれ、和平がエプロン姿で張り切っている。
そのエプロンを千明が褒めたことから、いつものやり取りがスタート。
褒められてうれしい和平がエプロンの値段クイズを出すも、千明が「そのやり取り、必要ですか」と冷や水を浴びせ、和平がヒートアップしてしまう。
落語家のように一人芝居で“楽しい会話”を実演し、その後も丁々発止の口ゲンカ。最終的に値段をズバリ言い当てる千明。

笑顔が消えた和平に、これから彼が話そうとしている内容も当ててみせると、千明が追い打ちをかける。
「鎌倉市長に立候補します!とか、そういうやつ?」
それを聞いた長倉家の面々は「ええ~?」「ないない!」と笑うが、和平は絶句。笑っていた家族もその表情に、黙り込んでしまう。
まさかの展開に、千明は気まずそうに謝った。