――今回の記念公演でこだわった点について聞かせてください。
昨年、開催した59歳のパーティも同じ会場でやらせていただいたんですけど、そのときのスタッフにセットや照明など、赤を使うことをガマンしていただいたというのが、今回のこだわりにつながっています。やはり、赤は還暦までとっておきたかったので。

――大事な時間を共有するために大勢のファンの皆さんが全国から集結したそうですが、ステージの手ごたえを聞かせてください。
青春時代の楽曲を歌えば、お客さまも当時の思い出にひたっていたり、古い話をしたときには食いついてくださったりで、こんなにも長く応援していただいているんだと感慨深いものがありますし、相乗効果でさまざまな化学反応が起きていることを実感しています。
僕の心境としては、なんだか“止まっている”気がするんですよ。例えば、車を運転しているときや飛行機に乗っているとき、自分は座っているから止まっているんだけど、目の前や左右に見える景色は動いているじゃないですか。

それと同じで、還暦を迎えはしたけれど、中身はまったく変わらず、僕はずっとステージにいたし、歌ったり踊ったり、お芝居をしたり、時には作る側にまわったり、やっていることは変わらない。景色のほうが動いていったという、そんな感覚ですね。
錦織一清の還暦を植草克秀や後輩が祝福
――最終公演には植草さんがサプライズで登場し、少年隊のナンバーを披露しました。
植草の出演に関しては、高校のクラスメイトだったパパイヤくんが「還暦(のお祝い)だから、ぜひ来てもらいたい」と音頭をとってくれたんです。自分の誕生日に自分で幹事をやらないのと同じで、僕がというよりパパイヤくんの尽力で実現したものでした。