そんな折、倫子が家治と仏間で手を合わせていると、松島の局(栗山千明)が口を開く。なんと、松島は倫子の目の前で家治に側室を設けるよう迫ったのだ。だが、家治は子どもはいらない、ゆえに「側室は必要ない」と返す。

将軍家の血筋を絶やすことになると食い下がる松島に、家治は何も答えず去ってしまった。

倫子から次第を聞いたお品は、女中たちのうわさとして家治の父・徳川家重(高橋克典)と母・お幸の方(紺野まひる)に関する悲しい過去を話す。倫子は家治のつらい身の上に思いを馳せた。

家治が世継ぎを望まぬという話は松平定信(宮舘涼太)も知ることとなり、父・田安宗武(陣内孝則)に告げる。

松平武元(橋本じゅん)から、オランダ商館長が目通りを願い出ていると報され、興味をそそられる家治。しかし、田沼意次(安田顕)に、家治が直接会うことはないと遮られてしまった。

イライラと木刀をふりに行った家治は、仏間に参っている倫子と会う。なぜ、と疑問を投げる家治に、倫子は「夫婦ですから」と返した。