<木村文乃 コメント>
――本作への出演が決まったときは、どう思いましたか?
井上由美子さんのオリジナル作品に関わることができる喜びと同時に、底知れぬ緊張感もありましたが、私のキャリアの中でも恋愛ものというのは珍しいので、このタイミングでお話をいただけたことに、ご縁を感じ二つ返事で「やります」でした。
――台本を読んだ印象、木村さん演じる愛実の印象は?
危なっかしい人だなあと思いました(笑)。私は、愛実ほど物事を真に受けないことと、周りに参考になる人もいなくて役作りはとても悩みました。西谷(弘)監督に悩んでいることを打ち明けたとき「サイモン&ガーファンクルの『スカボロフェア』が流れるようなイメージかな」とおっしゃっていたことが印象的で、何かに迷ったときに思い出すようにしています。
リハーサルを重ね撮影が始まると、自分ひとりではなくスタッフのみなさん、キャストのみなさんから得られるヒントがたくさんあり、一緒に作り上げていく楽しさを日々感じています。
冒頭から危なっかしさが満載ですが、“西谷マジック”にかかるとどこかクスッともなれるので、西谷監督ならではの演出も楽しんでいただけたらと思います。
――ラウールさんとは初共演となります。
すばらしいダンススキルなどセンスに長(た)けていて器用な方というイメージでしたが、先日愛実とカヲル、2人だけのシーンを初めて撮影したときに、とても努力家なんだろうなと感じる瞬間があって。
10分以上の長回しで撮影したのですが、アドリブを次々に出してくださって、その一つひとつにとても心がこもっているんです。ラウールさんが投げてくださる球を壊さないように、と、私も豊かな心で撮影に臨むことができました。
ふたりのこれからが見える重要なシーンだったので、想像を膨らませながらお芝居のキャッチボールができて楽しかったです。
――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
誰もが抱えているであろう、他人に知られたくない失敗や傷ついた瞬間を全部さらけ出して、自分がいちばんほしかったものを求める姿が描かれていく作品だと思います。
木曜よる10時、お疲れを感じている方も多いかもしれません。そんななかでこのドラマを見てくださる方の心の琴線に触れ、明日への活力になれるような作品にしたいです。ぜひご覧いただけたらうれしいです。