岩井監督は中山さんと初めて対面した日について「目の前のあなたはテレビで見ていたイメージとは裏腹に、とても神秘的で近寄りがたいオーラをまとっていました。そして、この人なら(『Love Letter』の主人公である)二役を見事に演じきれると確信しました」と回想。
そして、撮影中の秘話や中山さんとカラオケでデュエットした思い出を披露し、最後に「時代は変わりました。今はSNSの時代です。このメッセージをLINEで送らせていただきます。天国でゆっくり読んでください」と呼びかけ、「既読がついたらちょっと怖いです」と最後にユーモアを交えながら中山さんを偲びました。

小泉今日子は、美穂さんのトリセツを紹介
小泉さんは「中山美穂さま、初めて会ったのはテレビ局の控室。狭い部屋を二人で使うことになったんだよね。人見知りのあなたは上手に微笑むことさえできなかった。そのときあなたはまだ16歳。右も左もわからない、新しい世界に飛び込んでしまって怯えている子猫のようでした」とデビュー当時の中山さんの印象を回顧。

続けて、ともに過ごした時間を振り返りつつ、「ファンの皆さんは毎日のようにあなたの歌う姿、あなたが演じている姿、ため息が出るほど美しいあなたの写真などをSNSで投稿してくれていますよ。初めて見るものがたくさんあって、今さらながら歌手、俳優としての美穂の素晴らしさを目の当たりにしています」と涙声に。

また、「天国で出会った方たちのために美穂の取り扱い注意を箇条書きで記します」と前置き。
1. ものすごく楽しそうにはしゃいでいるときは心の中に大きな問題を抱えている可能性があります。寄り添って目を離さないでください。
2. 機嫌が悪そうに見えるときには美味しい食べものやお酒を与えると簡単にご機嫌になります。
3. 自分の気持ちを言葉にするのが苦手です。それゆえ、限界まで我慢してしまうことがあります。そんなときは抱きしめてあげてください。
4. 根が優しいので、すぐに人を信用してしまい、騙されたり利用されたりすることもあります。守ってあげてください。
5. 根が素直なのでよく泣きます。ポロポロ大粒の涙を流します。
「以上、中山美穂のトリセツでした」と読み上げ、「いよいよ私もある言葉を言わなければなりません。美穂、さようなら。美穂、よく頑張ったね。美穂、ありがとう。かわいい妹、美穂、元気でね。美穂、そのうちいくから待っててね」と声を詰まらせました。

その後、喪主の中山忍さんから挨拶が。「今の正直な気持ちを申しますと、本日、この場には立ちたくありませんでした。まだ、姉に『さようなら』を言いたくないのです。生まれたときから当たり前のようにそばに姉がいて、当たり前のように一緒に時を過ごして、一緒におばあちゃんになっていくものだと思い込んでいました」と切々とメッセージ。

最後は「皆様にお願いがあります。どうか姉のあの笑顔を、皆様とつくり上げてきた数々の作品を、あのとびきりの笑顔を、いつまでもいつまでも覚えていてあげてください。この先は皆様を照らすきらめく星としてどうかお心においていただければ。中山美穂を愛してくださり、本当にありがとうございました」と呼びかけました。